高脂血症と肥満

- 高脂血症と肥満について解説(脂質異常症)

高脂血症肥満

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 当サイトでは、様々な生活習慣病の中でも高齢者に見られる病気を中心に解説紹介しています。
 このページでは、高脂血症(脂質異常症)について解説しています。高脂血症は誰でもなりうる病気ですが、特に中年から高齢になると注意したい病気です。そして、高脂血症はとても危険な病気の発症につながる可能性があります。ですから高脂血症について理解して、高脂血症の症状・原因・治療・検査やさらに気になる色々な情報などから、高脂血症を早期発見・予防できるようにしましょう!
 高脂血症について知りたい方のために当サイトが少しでもお役にたてると幸いです。
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高脂血症と肥満
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     高脂血症と肥満


肥満していると、高脂血症(脂質異常症)が発生する確率が高くなります。

さらに、血圧が高い状態が続く「高血圧」、高血糖による「糖尿病」、そしてそれらの病気から「動脈硬化(どうみゃくこうか)」になってしまう確率も高くなってしまいます。

動脈硬化になる確率が上がるということは、動脈硬化から引き起こされる脳卒中(のうそっちゅう:脳出血脳梗塞くも膜下出血のこと)や、心臓の病気である「狭心症(きょうしんしょう)」、「心筋梗塞(しんきんこうそく)」になる可能性も出てきます。



肥満の2つのタイプ

肥満には、脂肪の付き方で 2つのタイプがあります。それが、「皮下脂肪型肥満(ひか しぼう がた ひまん)」と「内臓脂肪型肥満(ないぞう しぼうがた ひまん)」です。

皮下脂肪型肥満とは、皮膚の下に脂肪が付くタイプの肥満で、女性に多いです。「洋なし型肥満」ともいいます。

内臓脂肪型肥満は、内臓に脂肪がたまる肥満です。これは男性に多く、「りんご型肥満」ともいいます。

この 2つの肥満のうち、高脂血症動脈硬化などの他の病気を引き起こす問題のある肥満が「内臓脂肪型肥満」です。内臓脂肪型肥満の人は、見た目ではあまり太っていなかったり、お腹回りだけが太っているのが特徴です。

内臓脂肪型肥満は、皮下脂肪型肥満に比べて合成や分解が活発で、遊離脂肪酸(ゆうりし ぼうさん)を多く放出します。

遊離脂肪酸とは、エネルギーを消費するときに、脂肪細胞から分解され、肝臓に運ばれる物質です。遊離脂肪酸は肝臓でコレステロールや中性脂肪と合成されて、最後にはまたエネルギーとして使われます。

ただ、内臓脂肪が多いと、肝臓に流れ込む遊離脂肪酸も増えてしまうので、合成される中性脂肪の量も増えてしまいます。そうなると、血液の中の中性脂肪が使われず残ってしまい、血液中に中性脂肪が多い状態が続いて、最後には動脈硬化になるリスクが高くなってしまうのです。

また、遊離脂肪酸が多いことで、血液中の糖が脂肪に合成されにくくなるため、血液の中の糖が多い状態が続いてしまい、糖尿病高血圧になる可能性が高くなります。



メタボにも注意!

メタボリックシンドロームにも注意が必要です。

メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪型肥満があり、さらに高血圧糖尿病高脂血症(脂質異常症)などの動脈硬化を進行させる危険因子を複数合わせ持っている状態のことです。

それぞれの病気の程度は軽くても、複数が組み合わさることで動脈硬化が急速に進んでしまい、狭心症心筋梗塞脳梗塞などの危険な病気の引き金となってしまいます。

メタボリックシンドロームとされる基準は、おへその高さのお腹回りが、「男性で 85cm以上」、「女性で 90cm以上」であり、さらに血圧値、血糖値、中性脂肪値のうち 2つが基準値を超えていることです。(※くわしくは「メタボリックシンドローム」のカテゴリの「メタボリックシンドロームの診断基準」のページをごらんください。)

内臓脂肪を減らすには、食生活を改善し、運動をすることで可能ですので、高脂血症のある方は特に注意しましょう。



肥満度を計算してみよう!

肥満していると高脂血症(脂質異常症)や他の生活習慣病になる確率が高くなってしまうのでとても怖いです。

ですから、高脂血症やその他の生活習慣病になる確率を低くするために、肥満を解消することが大切です。


肥満を解消する前に、まずは自分が肥満しているのかどうか、計算で「肥満度」の算出(肥満度のチェック)をしてみましょう。

肥満度の算出方法はBMIというものがあります。BMIとは、「ボディ・マス・インデックス」の略で、身長からみた体重の割合を示す体格指数です。

肥満度の算出方法は下記の通りです。


BMI(肥満度) = 現在の体重(kg) ÷ (身長[m]×身長[m])


肥満度は、まず自分の身長と身長をかけます。170cmの人でしたら、単位を「メートル」にして「1.7×1.7」で「2.89」になります。そして、「2.89」で現在の体重を割ります。体重が 70kgだとすると、「70÷2.89」で、算出される肥満度の数値は「24.2」になります。

肥満度が出たら、肥満の判定です。下の表をみてください。数値が当てはまる部分があなたの判定結果です。


▼肥満度の判定表
判定方法 やせ 普通 肥満
BMI 18.5未満 18.5〜25.0未満 25.0以上



適正エネルギー量を計算してみよう!

肥満を解消する前に、まずは自分の標準体重を計算してみましょう。

標準体重とは、肥満でもやせているでもなく、病気にかかりにくく長生きできるだろう最も健康的に生活ができるとされた理想的な体重のことで、「理想体重」ともいいます。

標準体重の計算方法は、まず自分の身長を知る必要があるので、身長を測定しましょう。

身長が解りましたら、下記の計算式により、標準体重を計算しましょう。


  標準体重(kg) = 身長(m)×身長(m)×22

※身長の単位は「メートル」で行ってください。つまり「170cm」の人であれば「1.7m」になりますので、「1.7×1.7×22=63.58」なので、標準体重が「63.58kg」となります。


標準体重が計算できましたら、次は適正エネルギー量の計算です。

適正エネルギー量とは、1日に必要な最小エネルギー量のことで、1日に何kcal(キロカロリー)の食品を食べるのがベストなのかがわかります。

適正エネルギー量の計算方法は下記の通りです。


 ・適正エネルギー量 =
標準体重(kg)× 体重 1kgあたりの
必要なエネルギー(kcal)

※「体重1kgあたりの必要なエネルギー」の数値は、下記の表の「運動強度と必要エネルギー」を参考にしてください。


▼運動強度と必要エネルギー
運動強度 必要エネルギー 解説
軽い 25kcal 主婦・事務職など
部屋中心の生活
普通 30kcal 特に重労働を
していない人
やや重い 35kcal 1日に 1時間ぐらいの
重労働がある人。
重い 40kcal 1日に 2時間以上の
重労働をしている人。


上の標準体重の計算式で、身長170cmの人の場合を計算して、「63.58kg」という数値が出ました。

この標準体重の数値をもとに、上の表の日常で特に重労働をしていない「運動強度が普通」の数値「30kcal」により適正エネルギー量を計算すると、下記のようになります。

  63.58kg×30kcal = 1,907.4

つまり、「身長170cmの人は 1日に 1,907kcal ぐらいのカロリーが適正エネルギー量である」、ということになります。



標準体重と適正エネルギー量が計算できたでしょうか?肥満している方は、この標準体重を目標に、毎日の食事のカロリーを適正エネルギー量にまで抑えていきます。

肥満を解消して、高脂血症や様々な生活習慣病の予防をしましょう!



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