糖尿病とは、血液の中の「ブドウ糖」の量が多すぎてしまう状態がずっと続いてしまう病気です。
血液の中のブドウ糖を「血糖(けっとう)」、血液の中のブドウ糖の量の値(あたい)を「血糖値(けっとうち)」といいます。つまり、血糖値が高い状態が慢性的(まんせいてき)に続いてしまう病気が、糖尿病なのです。
ただ、「血糖値が高い状態が続くことの何が悪いの?」と思う方もいらっしゃるでしょう。
確かに、血糖値が高い状態が続くだけなら、何の問題もないはずです。糖尿病という病気自体も無いでしょう。
ただ、糖尿病の怖いところは、血糖値が高くなること自体ではありません。
糖尿病の怖さの本質は、血糖値が高い状態である「高血糖の状態」が続くことにより、「他のさまざまな障害や病気が引き起こされてしまう」ところにあるのです。
糖尿病の合併症としては、目の網膜に異常が起こる「糖尿病性網膜症(とうにょうびょう
せい もうまくしょう)」、腎臓(じんぞう)に障害が起こる「糖尿病性腎症(とうにょうびょう せい じんしょう)」、神経に障害が起こる「糖尿病性神経障害(とうにょうびょう せい しんけいしょうがい)」、の 3つが「3大合併症」としてよく見られるものです。
高血糖の状態になっても、自覚症状がありません。ですから、自覚症状のないまま合併症が確実に進行していき、合併症の症状が起こったときにようやく糖尿病であることに気付く、というケースもめずらしくありません。
合併症になってしまうと、その病気の進行をくい止めることはできますが、完治させることはむずかしくなってしまいます。
「自覚症状なく病気を発生させ、進行させる」というのが、糖尿病の恐ろしいところなのです。
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糖尿病とブドウ糖 |
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ブドウ糖とは、食事により「糖質」として体内へ取り入れられ、胃や腸でブドウ糖に分解されて、私達が生きていくためのエネルギーとして使われるものです。
エネルギーとして使われず余ったブドウ糖は、肝臓や筋肉でグリコーゲンという物質に変えられたり、脂肪細胞(しぼうさいぼう)で中性脂肪としてたくわえられます。
そして、たくわえられたグリコーゲンは、ブドウ糖が足りなくなったときにブドウ糖に分解されて、エネルギーとして使われます。
糖尿病は、これらのようなブドウ糖がエネルギーとして使われるプロセスである「糖代謝」が正常に行われないために起こります。
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