脳出血とは、脳の中の細い血管(動脈)が切れて、大脳・小脳・脳幹(のうかん)、の脳の実質内に出血してしまう病気で、「脳内出血」とも呼ばれます。
また出血すると血が固まって「血腫(けっしゅ:内出血のために体内の 1ヶ所に血液がたまっている状態)」になるので、「脳内血腫(のうないけっしゅ)」とも呼ばれます。
脳出血が起こると、血腫により周りの脳が圧迫されて、「意識障害」、「運動麻痺」、「感覚障害」、などの症状が発症し、脳の機能が低下します。
また、血腫が大きくなると脳がむくむ「脳浮腫(のうふしゅ)」により頭蓋骨の中の圧力が高くなって脳へのダメージがさらに大きくり「脳ヘルニア」を起こして、最悪の場合は死亡してしまいます。
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脳ヘルニアとは、何らかの原因により頭蓋骨の中に血腫(けっしゅ)や脳浮腫(のうふしゅ)などの脳のむくみが起こると、頭蓋骨の中の圧が高くなって、結果として脳自体に圧力がかかり続けます。これを「頭蓋内圧亢進(ずがいないあつこうしん)」といいます。
脳ヘルニアは頭蓋内圧亢進の最終段階ともいえるもので、頭蓋骨の中の圧力が限界まで高くなることで、軟らかい脳は他の組織を押し込んでずれてしまいます。組織が押し出されることをヘルニアといいます。
押し出された脳は、深部にある脳幹部(のうかんぶ)などの生命維持中枢を圧迫し、呼吸や心臓の機能を損ない、最悪の場合は死亡してしまいます。
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脳出血が起こる脳の場所は、高血圧が原因の場合は脳の深い部分です。高血圧以外の原因の場合は、脳の表面の部分に起こることが多いです。
以前は、脳卒中といえば脳出血というぐらい、脳卒中の中ではいちばん患者数が多かったのですが、現在では脳梗塞の方が多くなっています。
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