※前のページ「メタボ健診の検査項目F〜脂質V(中性脂肪)」の続きです。
※メタボ健診(特定健診)について最初から見たい方は、「メタボ健診(特定健診)とは?」のページをご覧下さい。
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LDLコレステロールが「悪玉」である理由 |
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「LDLコレステロール」とは、「悪玉コレステロール」とも呼ばれ、肝臓で作られたコレステロールを全身に運ぶ働きのある「リポ蛋白」です。
「悪玉」と呼ばれる理由は、血液の中にこの「LDLコレステロール」が多くなりすぎてしまうと、「動脈硬化(どうみゃくこうか)」が発生する原因となるからです。
多すぎるLDLコレステロールは、血管の壁の中に入り込んで、酸化され、動脈硬化を進行させる原因となります。
また、中性脂肪が増えることでLDLコレステロールは「小型化」してしまいます。小型化すると、酸化されやすくなり、血管の壁に入り込みやすくなってしまうので、動脈硬化の発症リスクがいっそう高くなってしまいます。
さらに、LDLコレステロール値が高くて、「高血圧」、「喫煙」、「高血糖(糖尿病)」、などが重なってある場合、「脳卒中(のうそっちゅう)」や、「狭心症(きょうしんしょう)」・「心筋梗塞(しんきんこうそく)」などの心臓の病気が起こる確率がとても高くなってしまいます。
ただ、LDLコレステロールは細胞の壁を作る大切な材料でもあるので、私たちの体に必要なものなのです。問題なのは、LDLコレステロールが多くなりすぎてしまうことなんですね。
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メタボ健診(特定健診)とLDLコレステロール値 |
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HDL(善玉)コレステロール値は、メタボ健診(特定健診)では特定保健指導を受ける必要があるかどうかの判定項目とされていますが、LDL(悪玉)コレステロール値は判定項目とされていません。
ただ、LDLコレステロール値が「120mg/dl 以上」の人で、生活習慣の改善が必要な場合は、特定保健指導を受けることになります。
メタボ健診(特定健診)によるLDLコレステロールの判定値 |
・「LDLコレステロール値 120mg/dl 以上」の人で、
生活習慣の改善の必要がある場合は、
特定保健指導の対象となります。 |
LDLコレステロール値の基準値 |
・正常値=「LDLコレステロール値 120mg/dl 未満」 |
・要注意=「LDLコレステロール値 120mg/dl 以上」 |
・異常値=「中性脂肪値 140mg/dl 以上」 |
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(※HDL[善玉]コレステロールの基準値については、「メタボ健診の検査項目E〜脂質U(HDL)」のページをご覧下さい)
LDL(悪玉)コレステロールの計算式(空腹時採血) |
・LDLコレステロール=
総コレステロール |
− |
HDLコレステロール |
− |
(中性脂肪÷5) |
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(注意:空腹時採血によります。中性脂肪値が 400mg/dl 以上の場合は、この計算式は使えないので、LDLコレステロールを直接測定します。) |
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LDLコレステロールが増える原因は、食生活、運動不足、喫煙、ストレス、などです。
ですので、LDLコレステロールを増やさないためにも、コレステロールを多く含む食品(肉・卵・洋菓子)や食べ過ぎには注意しましょう。また、お酒の飲みすぎによるカロリーの過剰摂取は、肥満になり、これが原因でコレステロール値のが高くなってしまうことも多いのです。
また、運動不足にも注意したいところです。運動不足になることで、エネルギーがうまく消費されず、中性脂肪をためこんでしまい、コレステロール値が上がってしまう原因となります。
適度な運動は脂肪の分解が活発になり、HDL(善玉)コレステロールを増やすことができるので、日々の運動も行っていきましょう。
LDLコレステロールの増加は、動脈硬化の直接の原因となりますので、十分注意しましょう。
(※中性脂肪やコレステロールが高くなることで起こる「高脂血症(脂質異常症)」については、「高脂血症(脂質異常症)」のカテゴリの「高脂血症とは?@」のページからご覧下さい)
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