白血病の治療は、ガン化してしまった血液細胞を排除して、健康な血液を作り出すことができるようにするために行います。
白血病は、抗がん剤がとてもよく効くので、急性白血病、慢性白血病のどちらも化学療法(抗がん剤治療)を行い、さらに造血幹細胞移植(ぞうけつかんさいぼういしょく)も行います。
ただ、慢性白血病の場合は、急性のように強力な化学療法は行いません。口から投与する抗がん剤を使い、血液の中の白血球の数を抑えてコントロールします。
慢性リンパ性白血病の場合は、初期状態であれば特別な治療を行わず、経過を観察する場合もあります。
・寛解導入療法(かんかい どうにゅう りょうほう) |
白血病の化学療法(抗がん剤治療)は、骨髄の中の白血病細胞の数を減少させるための治療です。複数の抗がん剤を使い、全体の約5%ぐらいにまで減らします。
この抗がん剤による治療で、70%以上の人の白血病細胞が完全寛解(かんぜん かんかい)します。寛解とは、病変がなくなり正常な状態になることです。ただし、完治した状態ではありません。
抗がん剤により寛解すると、白血病による症状は無くなりますが、抗がん剤による副作用はあります。ですので、抗がん剤による副作用をおさえるための「支持療法」を行います。
地固め療法とは、最初の化学療法で抗がん剤の投与により寛解(かんかい)を得られた後、寛解を確実なものにするために、さらに白血病細胞を根絶するために行う抗がん剤治療のことです。
維持療法(強化療法)とは、地固め療法に続いて行われる治療です。寛解の状態を維持するため、また再発予防のために低用量の薬を服用し続けます。
・分子標的治療薬(ぶんし ひょうてき ちりょうやく) |
分子標的治療薬とは、がんの発生や増殖に関係しているある特定の分子に対して作用する薬です。染色体の異常によりつくられる異常なタンパク質の働きを阻止して、がん化しないようにします。
分子標的治療薬は、高い効果が期待でき、さらに正常細胞への副作用が少ないというメリットがあります。
造血幹細胞移植とは、がんを消滅させるために大量の化学療法(抗がん剤治療)や放射線療法を組み合わせた強力な治療を行い、患者さん自身の血液を作り出すシステムが消滅した後、ドナー(他の人)から得た造血幹細胞を輸注する事で新しい血液を作り出すシステムを構築する治療法です。
造血幹細胞移植は、若くて体力のある人でなければ受けられません。ですので、体への負担が少ない「ミニ移植」という方法がすすめられています。
ミニ移植は、移植前に行う化学療法や放射線療法を少なくして(半分の量にして)、免疫抑制剤を投与する治療法です。ミニ移植であれば臓器への障害も少なくてすみ、他の病気がある方や高齢者も受けることができます。
慢性骨髄性白血病の場合、造血幹細胞移植を受けることで、完全に治すことが期待できます。しかし、慢性骨髄性白血病が急性へと転化してしまうと、成功確率がかなりさがってしまいます。
造血幹細胞移植は、慢性骨髄性白血病以外の白血病でも行う場合があります。
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