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「膀胱がんの治療@〜手術T」のページでは、膀胱がんの手術について見ていきましたが、このページでは、膀胱がんでの「放射線療法」、「化学療法(抗がん剤治療)」、「動注療法」について見ていきましょう。
膀胱がんでの放射線療法は、がんが浸潤(しんじゅん)しているときに、手術(外科療法)や化学療法(抗がん剤治療)と併用されることがあります。
放射線を使うとがん細胞を死滅させることができるので、がん治療や、がんによる症状を消滅、もしくは和らげるために使われます。
膀胱がんが転移した場合でも、放射線治療が行われることがあります。
※浸潤とは、がん組織がどんどんとに大きくなって周りの細胞に入り込み、正常な組織を破壊しながら病巣を広げている状態。
膀胱がんでの化学療法は、抗がん剤を「膀胱から注入する方法」と「全身へ投与する方法」があります。
膀胱から注入する方法は、初期のがんの治療の後に、再発を予防するためにおこなわれます。全身へ投与する方法は、通常転移のある進行した膀胱がんに対して行います。
膀胱内注入の特殊な方法としては、「BCGの膀胱内注入療法」があります。BCGとは結核予防のためのワクチンですが、膀胱がんの表在がんに対しても効果があります。膀胱の上皮内がんに対して、またはガンを切除した後の再発を予防するために行います。
そして、膀胱全摘除術を行う前もしくは後に、抗がん剤が使われることもあります。(※上皮内がんとは、膀胱の粘膜の表面はぼぼ正常なのに、膀胱の粘膜壁に沿って悪性度のがん細胞が存在している状態)
副作用としては、吐き気、食欲不振、貧血、血小板減少、白血球減少、口内炎、などが起こる場合があります。
膀胱がんでも表在がんであれば治療後の経過は良いです。ただ、膀胱がんは膀胱内で多発したり再発したりします。経尿道的腫瘍切除術を受けた方の半数以上が膀胱内に再発するとされているので、定期的な検診は必要です。
膀胱がんの生存率は、5年生存率で、「T1」で95%、「T2」で80%、「T3」で40%、「T4」で25%ぐらいです。※数値はあくまで目安です。
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