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上咽頭とは? |
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上咽頭(じょう いんとう)とは、鼻の奥の部分(鼻腔:びくう)で、口を開けても見えない部分のことです。
咽頭は、上・中・下、と 3つの部分に分けられていて、それらを、「上咽頭(じょう いんとう)」、「中咽頭(ちゅう いんとう)」、「下咽頭(か いんとう)」、といいます。
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上咽頭がんとは? |
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上咽頭がんとは、上咽頭に発生する癌(ガン)のことです。上咽頭がんは、中咽頭がんと下咽頭がんに比べるとやや少ないです。
咽頭がんは、がんが小さくても頸部リンパ節(けいぶ りんぱせつ:首のリンパ節のこと)に転移しやすいです。上咽頭がんは、肺、肝臓、骨、などへ転移しやすいです。
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上咽頭がんの原因 |
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上咽頭がんの原因は、はっきりしたことはわかっていませんが、「EBウイルス(エプスタイン・バー・ウイルス)」というウイルスが関係していると考えられています。
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上咽頭がんの症状 |
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上咽頭がんの症状は、初期では、鼻づまり、鼻出血、耳鳴り、耳が詰まったような感覚、難聴(なんちょう)、頭痛、などがあります。
また、上咽頭がんは、早い段階で頸部リンパ節(けいぶ
りんぱせつ:首のところのリンパ節のこと)に転移しやすいので、頸部リンパ節がはれることにより、上咽頭がんが発見されることもあります。
がんが進行してくると、脳の神経までおかされて、視力障害(物が重なって見えるなど)や顔面の感覚が鈍くなるなどの症状が現れます。
さらにがんが進行すると、肺、骨、肝臓などの離れた臓器へ転移(遠隔転移)してしまいます。
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上咽頭がんの検査 |
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上咽頭ガンの検査は、鼻からファイバースコープ(内視鏡)を挿入してがんがあるかどうかを見て診断する「視診(ししん)」を行います。
さらに、病変(がんらしきもの)が見つかったら、その組織を採取して調べる「生検(せいけん)」により、それががんであるかどうかが確定します。
遠隔転移をすることが多いので、がんが周辺組織へどの程度広がっているのか、また転移があるかどうかを調べるために、「CT検査」や「MRI検査」などの画像検査を行います。
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上咽頭がんの治療 |
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上咽頭がん(じょう いんとう がん)の治療は、放射線や抗がん剤がよく効くので、放射線療法と抗がん剤治療が中心となります。上咽頭がんは、がんがかなり進行していても、放射線療法で治ることがあるという特徴があります。
上咽頭がんでは、手術は基本的に行いません。上咽頭の近くには多くの神経があるので神経を傷つけてしまう危険があるからです。
ただ、放射線療法と抗がん剤治療をおこなってもがんがのこってしまった場合や、首のリンパ節への転移がある場合は、切除のため手術を行います。
また、肺などの他の臓器への転移を防止するために、抗がん剤による治療を定期的に行うこともあります。
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