がんの外科療法、つまり手術は、がんの治療のメインとなるものです。内臓などにがんが発生した場合、がんとその周りの組織や、転移のある可能性のあるリンパ節も切除します。
ちなみに、リンパ節とは、全身に張りめぐらされているリンパ管が合流する所で、主に、首、わきの下、足の付け根、などに存在します。リンパ管に流れるリンパ液は、体の中の異物などに対する防御機能や、筋肉・内臓の水分・老廃物の循環などの免疫機能を果たしています。
がんは、がんとして目に見える部分だけでなく、その周りの組織やリンパ節にまで進んでいる可能性があります。ただ、やっかいなのは、周りの組織やリンパ節まで進んでしまっているがん細胞は肉眼で見ることができないというところです。
ですので、がんの進行具合によっては、目で見えるがん細胞の塊(かたまり)を切除したら、さらにその周りの組織やリンパ節なども切除する必要があります。
がんが進んでしまっているだろうと思われる部分の組織やリンパ節を全て切除しておくことで、ガン細胞を取り残さないようにし、がんの再発や転移を防ぎます。
上記のように、病気を完全に治すことを目的とした手術を「根治手術(こんち しゅじゅつ)」といいます。
また、治療しても完治できないとわかっていても、患者さんの症状の改善や、治療後の生活向上・延命などの目的で行う手術を「姑息手術(こそく しゅじゅつ)」といいます。「緩和手術(かんわ しゅじゅつ)」とも呼ばれ、進行したがんであるほど行われることが多くなります。
まず、手術でがんを取れるだけ取っておきます。そして、抗がん剤治療や放射線療法などの様々な他の治療を併用(へいよう)して、さらに効果を高めます。
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