CT検査とは、X線により体を輪切りにした断面(横断面)の画像を撮影することができる検査です。CTとは、Computed
Tomography(コンピュータ断層撮影)の頭文字です。
CTでの検査は、患者さんが寝台に横になって、穴の開いた装置(5円玉を立てたような感じの大きな機械)の穴の部分に体が自動的に通っていきながら撮影します。検査時間はだいたい20分ぐらいです。
X線が 360°から照射されて体の中を通過したときに、どれぐらいそのX線が減ったかを測定することで体の断面を画像化します。とても鮮明に撮影することができるので、小さな病変も見つけることができます。CT検査にる痛みなどはありません。
CT検査は、体の全ての部分を撮影することができるので、様々な体の異常や病気に対して行われる検査ですが、特に、心臓、大動脈、肺、気管支、などの胸の部分や、腎臓(じんぞう)、肝臓、などのお腹の部分を検査するために使われます
がんでは、特に脳やお腹の部分のがんを調べるために使われます。
CTでの撮影では、半身全体などの広い範囲を撮影する場合、長い間息を止めておく必要があります。そのために、撮影中に血圧や脈拍数が上昇するので、高齢者や乳幼児、重病の人には使いにくいという問題もあります。
CT検査には、CT検査をさらに高度にした「ヘリカルCT(シングルスライスCT)」と「マルチスライスCT」というものがあります。
ヘリカルCT(シングルスライスCT)とは、寝台(患者さんが横に寝る部分)を移動させながら、X線によりらせん状に連続回転しながら撮影を行って、そのデータを画像化するCTの撮影方法です。
ヘリカルCTのメリットは、通常のCT検査よりも高速に撮影することができるので、検査時間がかなり短くなったことです。さらに連続した画像を撮影することができるので、画像を何十枚と重ねることで
3Dの画像ができるようになったことです。
マルチスライスCTとは、通常のCT検査では1列だったX線検出器を複数に配列することによって、さらに短時間で精密な三次元画像を撮影することができるCTの撮影方法です。1列の検出器をらせん状に動かして撮影するヘリカルCTとは違い、スライス画像の間にずれが生じることがありません。
また、撮影時間がとても短いので、被爆量も少なくてすみ、息を止めることが難しい高齢者、乳幼児、重病の人、などにも使いやすいというメリットもあります。動いている心臓の冠動脈(かんどうみゃく)までも、きれいに撮影することができます。
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