※前のページ「乳ガンの治療@〜手術V」の続きです。
※乳ガンの治療について最初から見たい方は「乳がんの治療@」のページからごらんください。
乳ガンの治療に用いられる薬は、「化学療法(抗がん剤治療)」、「ホルモン療法」、「分子標的治療」の 3種類に大きく分けられます。薬物療法を受けると副作用があり、その程度は様々です。
乳がんでは、抗がん剤による治療の効果があらわれやすいです。手術前におこなう「術前化学療法」と、手術後に行う「術後化学療法」があります。
術前化学療法とは、手術前に抗がん剤により癌(ガン)を小さくする治療です。乳がんの場合、がんの直径が 3cm以上の場合、またはリンパ節への転移がある場合に行われます。
術前化学療法により、乳房を温存する「乳房温存術」を行うことが可能になります。
術後化学療法とは、手術の後や放射線療法の後に、再発を防止する目的で行われる治療です。使用される抗がん剤は様々な種類のものを併用(へいよう)するのが基本です。
約 6〜7割の乳がんは、女性ホルモンの影響を強く受けるホルモン受容体を持っています。ホルモン受容体をもっている乳がんは、女性ホルモン(エストロゲン)の刺激がガンの増殖に影響しているといわれています。
この女性ホルモンへの感受性が高い乳がんは、「ホルモン療法」が効果的です。乳がんの細胞の中の「エストロゲン受容体」または「アンドロゲン受容体」を調べて、女性ホルモンに影響されやすい乳がんであるかを判断します。
女性ホルモンに影響されやすい乳がんであることがわかったら、薬でホルモンを調節することで、がん細胞の発育や増殖をおさえます。ほとんどの場合、手術後に薬物療法として行われます。生理がある方と、閉経した方では、使う薬の内容が変わります。
乳がんの約20〜30%は、がん細胞の表面に「HER2」というたんぱく質をたくさん持っています。「HER2」は、ガン細胞が増えるために必要な物質を取り込む働きがあるため、通常の乳がんよりも進行が早いです。
分子標的治療とは、この「HER2」のみに働きかける薬を使う治療法です。「HER2」の働きを抑えて、ガンが増えるのを防ぎます。
※次のページ「乳癌の治療B〜放射線療法」へ続く・・・・ |