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内視鏡的粘膜切除術は、管の先端にカメラや治療器具のついた内視鏡と呼ばれるものを使って、食道がんを切除する治療法です。
内視鏡による治療では、リンパ節の郭清(かくせい)はできないので、リンパ節への転移がない早期のがん(表在型)に行われます。
食道を温存でき、手術時間も約 1時間ぐらいと短く、患者さんへの身体的負担がとても軽い治療法ですが、リンパ節への転移がある場合は再発してしまいますので、転移があるかないかをしっかり判断する必要があります。
内視鏡で切除したがん細胞はくわしく調べられ、がんが食道の粘膜下層(ねんまく かそう)にまで進んでいた場合は、10〜40%の確率でリンパ節への転移があります。がんが粘膜下層へ深く進んでいる(浸潤している)場合は、さらに手術や放射線治療、放射線化学療法などを行う場合もあります。
食道がんで、リンパ節への転移が多数ある場合は、手術の前に化学療法(抗がん剤治療)を行います。
肺、肝臓、骨などの他の臓器へ転移がある場合にも、抗がん剤による治療が行われます。
抗がん剤の副作用は、吐き気、嘔吐、食欲不振、白血球・血小板の減少、また抗ガン剤の種類によっては腎臓障害を起こすことがあります。
W期で肝臓や肺などの他の臓器に転移している場合にも、化学療法が行われる場合があります。
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