食道とは、喉(のど)と胃をつないでいる、長さが約25cmぐらい、直径は約1.5cmぐらいの管状のものです。
食道癌(食道がん)とは、食道の内側をおおっている扁平上皮(へんぺいじょうひ)という粘膜から発生する癌(がん)のことです。
食道ガンは治療の難しい癌として知られています。その理由は、食道が胃などの消化器管と違い漿膜(しょうまく)におおわれていないので、癌のひろがりを防ぐことができず、進行しやすいからです。
また、食道の壁は薄いので、癌は早い段階で食道の細胞に深く進みやすい(浸潤しやすい)傾向にあるからです。
そして、食道には血管とリンパ節が数多くあるので、脳や肺などの遠い場所へ転移しやすく、さらに食道の周りには気管、心臓、肺などの臓器がとても近くにあるので、それらの臓器に癌が直接進行してくることもあるため、進行がんでは治療がより難しくなります。
手術をするにも、食道は様々な臓器や肋骨に包まれているので、困難となる場合もあります。
ただ、内視鏡(ないしきょう)と呼ばれる、管の先端にカメラが付いた治療器具により、食道がんの早期発見できる確率が上がりました。内視鏡を使った手術や放射線化学療法により治る人も増えています。
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食道癌の人数と年齢 |
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食道がん(食道癌)になる人の人数は、年間で約 1万4000人で、全がん中 10位ですが、その人数は増加傾向にあります。
食道癌での年間の死亡者は 1万人以上で、これは全ての癌の中で 7位です。
食道がんが多く発生する年齢は、60歳以上で、特に男性に多いです。
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