食道とは、喉(のど)と胃をつないでいる、長さが約25cmぐらい、直径は約1.5cmぐらい、食道壁の厚さは約4mmの管状のものです。
食道は、「頸部食道(けいぶしょくどう)」、「胸部食道(きょうぶしょくどう)」、「腹部食道(ふくぶしょくどう)」に分けられます。そのうちでも、癌(ガン)が発生しやすいのは胸部食道です。胸部食道から発生するがんは、食道ガン全体で 約50%以上になります。
そして、食道ガンは、食道の粘膜を構成している扁平上皮(へんぺいじょうひ)という細胞から発生する「扁平上皮ガン」と、腺上皮(せんじょうひ)という細胞から発生する「腺がん」の 2つに分類されます。
この 2つの食道ガンうち、日本人の 90%以上が扁平上皮ガンです。
|
食道壁と癌の進行 |
|
|
食道壁は、内側(食べたものが触れる部分)から、「粘膜上皮」、「粘膜固有層」、「粘膜筋板」、「粘膜下層」、「輪筋層」、「縦筋層」、「外膜」、というように構成されています。
▼食道壁の構成
|
・粘膜上皮(ねんまくじょうひ) - 食道の内側 |
・粘膜固有層(ねんまくこゆうそう) |
・粘膜筋板(ねんまくきんばん) |
・粘膜下層(ねんまくかそう) |
・輪筋層(りんきんそう) |
・縦筋層(じゅうきんそう) |
・外膜(がいまく) - 食道壁の外側 |
|
食道ガンの場合、がんが粘膜下層までにとどまっているものを「表在ガン」、粘膜下層をこえて筋層にまで癌が進んでいるものを「進行ガン」といいます。
そして、表在がんの中でも、リンパ節への転移がないものを「早期ガン」といいます。
|