閉塞性動脈硬化症(へいそくせい どうみゃくこうか しょう)とは、手や足の血管(動脈)に動脈硬化(粥状動脈硬化)が慢性的に起こっている状態のことです。
閉塞性動脈硬化症があると、動脈硬化により血管が狭くなって血流が悪くなったり、閉塞する(つまってしまう)ことにより循環障害が起こってしまい、様々な症状が出てしまいます。
閉塞性動脈硬化症は主に足の動脈に起こるので「下肢閉塞性動脈硬化症(かし へいそくせい どうみゃくこうか しょう)」ともいいます。下肢とは足のことです。
閉塞性動脈硬化症がある人は、全身の血管に動脈硬化が発症していることもあるので、心臓の冠動脈の動脈硬化により発症する「狭心症(きょうしんしょう)」、「心筋梗塞(しんきんこうそく)」、脳の血管の動脈硬化により発症する「脳梗塞(のうこうそく)」、「脳出血」などの動脈硬化から起こる様々な病気にも注意する必要があります。
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閉塞性動脈硬化症の原因 |
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閉塞性動脈硬化症の原因は、糖尿病、高血圧、高脂血症(脂質異常症)、たばこ(喫煙)などの動脈硬化の発症する危険を高くする要素です。
また、高齢になることでも発症しやすくなります。だいたい40〜50歳以降に発症することが多いです。
閉塞性動脈硬化症の症状は、最初は、下肢(かし:足のこと)の冷感や色調の変化が現れます。
次に、間欠性跛行症(かんけつせい
はこうしょう)」が起こります。
間欠性跛行症(かんけつせい はこうしょう)とは、初めは脛骨(けいこつ:すねの骨)やひざの裏の動脈に起こり、歩いているとふくらはぎなどがこわばり痛くなります。少し休むと痛みはなくなりますが、症状が悪化してくると、ちょっと歩いただけで痛くなり、歩くことが困難になってしまう症状のことです。
もっと悪化すると安静にしていても足の痛みを感じ、さらに悪化すると足の指から血管が詰まってしまい、そこに「壊疽(えそ)」が起こってしまうことがあります。
壊疽とは、下肢(かし)の動脈硬化により、血流が悪くなったり、血流が途絶えたりすることで、その部分の細胞がどんどん腐っていってしまう病気です。
壊疽の症状としては、足の指の炎症や痛み、冷感などです。
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