絨毛がん(じゅうもうがん)の治療は、外科療法(手術)、化学療法(抗がん剤治療)の2つが主に行われます。身体の他の部位に転移した場合には、放射線療法を行うこともあります。
手術により絨毛組織(じゅうもうそしき)を除去する方法は、「子宮内容掻爬吸引除去術(しきゅう ないよう そうは きゅういん じょきょ じゅつ)」と「子宮の全摘術」があります。状況によって、卵巣や膣(ちつ)の一部も切除することがあります。
・子宮内容掻爬吸引除去術 |
(しきゅう ないよう そうは きゅういん じょきょ じゅつ) |
子宮内容掻爬吸引除去術とは、子宮内に増殖した絨毛組織を取り除く治療です。子宮の入口を開いて、小さな真空吸引器具を使って行います。さらに子宮の壁の内側をひっかいて、子宮内の絨毛組織が残らないようにします。
子宮内容掻爬吸引除去術は、胞状奇胎(ほうじょうきたい)の場合の手術方法です。
上で解説しました「子宮内容掻爬吸引除去術」は、胞状奇胎(ほうじょうきたい)の手術方法で、胞状奇胎の治療はこの手術で終わりです。ただ、絨毛組織が子宮の壁の中へ侵入していたり(侵入性胞状奇胎)、肺などへ遠隔転移している場合もあるので、子宮の壁の状態を検査する必要があります。
子宮の壁をしらべる検査として、子宮の血管に造影剤(ぞうえいざい)を注入して、子宮の壁の状態を調べる「骨盤内動脈造影検査(こつばんない どうみゃく ぞうえい けんさ)」と「胸部X線検査」を行います。
胞状奇胎(ほうじょうきたい)の治療をした方の 約10%が、後に「侵入性胞状奇胎」、「絨毛がん(じゅうもうがん)」を発症しているというデータがあります。
子宮を全て摘出する手術です。通常では卵巣は摘出しませんが、状況によって、卵巣や膣(ちつ)の一部も切除することがあります。
化学療法とは、口から取り入れる薬や血管への注射(静脈注射)により、抗がん剤を体内に取り入れる治療です。抗がん剤は血液により全身に運ばれて、がん細胞を減少・消滅させます。
絨毛がん(じゅうもうがん)には抗がん剤がよく効きます。手術の前や後、また抗がん剤だけの治療を行う場合もあります。
放射線療法とは、高エネルギーのX線をがん細胞に照射して攻撃することで、がんを縮小させる治療です。絨毛がん(じゅうもうがん)が、身体の他の部位に転移した場合には、放射線療法を行うこともあります。
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