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絨毛がんの原因 |
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絨毛がん(じゅうもうがん)の原因は、はっきりとしたことはわかっていません。ただ、妊娠や分娩(ぶんべん)をきっかけとして発生するようです。絨毛がんが発生する確率としては、妊娠 1万回に 1回ぐらいです。
そして、絨毛がんの発生には、「胞状奇胎(ほうじょうきたい)」という絨毛から発生する病気が関連しています。絨毛がんの方の 50%以上が、胞状奇胎の後に癌(ガン)が発生しているとされています。
他の絨毛がんの発生は、流産の後や正常分娩(ぶんべん)の後に発生する場合もあります。
胞状奇胎とは、絨毛組織から発生する病気です。上でも解説しましたが、絨毛がんの方の50%以上が、過去に胞状奇胎を発症していることから、胞状奇胎と絨毛がんは関連があると考えられます。
胞状奇胎は「ブドウ子」とも呼ばれます。これは絨毛が変化してできた小さな袋が多数集まり、ブドウの房(ふさ)のようになって、子宮の中に増殖するからです。
胞状奇胎の治療は、子宮の中の奇胎組織をかき出す「子宮内掻爬(しきゅうないそうは)」により治すことができます。胞状奇胎は子宮の外には転移しません。
しかし、胞状奇胎の中でも、子宮の壁を破ってしまうぐらいに進行する「侵入性胞状奇胎(しんにゅうせい ほうじょう きたい)」の場合はそうはいきません。
侵入性胞状奇胎と絨毛がん(じゅうもうがん)は、子宮の壁の中に侵入したり、他の臓器への転移により体内で増殖します。侵入性胞状奇胎の発生は、胞状奇胎の後に早い段階で起こることが多いです。
つまり、「胞状奇胎」、「侵入性胞状奇胎」、「絨毛がん」、は関連のある病気であるため、「絨毛性腫瘍(じゅうもうせい しゅよう)」と呼ばれます。絨毛細胞からなる悪性腫瘍を「絨毛がん」と呼びます。
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