甲状腺がんの治療は、外科療法(手術)、放射線療法、化学療法(抗がん剤治療)、が主な治療法です。
治療法は、がんの種類や進行具合、また患者さんの状態などを考慮して治療法が決定されます。
それでは、甲状腺がんの各治療法についてくわしく見ていきましょう。
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外科療法(手術) |
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分化がん(乳頭がん・濾胞がん)、髄様がん(ずいようがん)の治療は、手術が基本となり、大半が手術により治すことができます。
がんがステージT期・U期であれば、左右に分かれている甲状腺(左葉・右葉)のがんのある片方を切除する「葉切除(ようせつじょ)」を行います。比較的に簡単な手術で行うことができ、治療後の経過(予後)も良好です。
甲状腺がんでも、10mm以下のがんであれば手術せず経過を見ることもあります。また、内視鏡による手術を行う場合もあります。
ステージV期と大きながん、または悪性度の高いがんに対しての治療は、甲状腺全体を切除する「全摘術」を行います。
がんが、気管、食道、喉頭(こうとう)、のどのリンパ節である頸部リンパ節(けいぶ りんぱせつ)、などにまで進んでしまっている場合は、それらも手術により切除する必要があります。
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甲状腺がんの手術による合併症 |
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甲状腺がんの手術による切除範囲が大きければ大きいほど、いろいろな合併症が起きてきます。
合併症としては、甲状腺機能低下(ホルモン分泌の不足)、上皮小体機能低下(血液の中のカルシウムが不足する)、反回神経麻痺(声のかすれ)、などがあります。
ただ、甲状腺機能低下と上皮小体機能低下(じょうひ しょうたい きのうていか)については、飲み薬により治療することができます。
反回神経麻痺(はんかい しんけい まひ)は、手術のときに甲状腺に接している反回神経を切除してしまうと起こるので、できるだけ温存することを考えて手術をします。症状は、声のかすれや水分を飲むとむせるなどです。
それでは次のページでは、甲状腺がんの放射線療法に付いてみていきましょう。
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