歯肉がん(しにくがん)とは、歯肉(歯茎:はぐき)にできるがんのことで、「歯茎がん」ともいいます。口の中にできるがんを「口腔がん(こうくうがん)」と呼びますが、歯肉がんはそのうちの一つでもあります。
口腔がんとしては、舌にできるがんである「舌がん(ぜつがん)」の次に多く発生しますが、口腔がん自体がガン全体でみるとあまり多くはないので、歯肉がんもまれながんであるといえます。
歯肉がんは、上あごの歯茎よりも下あごの歯茎に発生することが多いです。
年齢では、40歳以上の方に多く発生します。性別では女性より男性に多いです。
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歯肉がんの原因 |
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歯肉がんの原因は、まだはっきりしたことはわかっていません。ただ、喫煙(たばこ)、アルコールの刺激、虫歯、歯石、入れ歯や歯に入れている金属による慢性的な歯茎(はぐき)への刺激、口の中を不潔にしている、などが歯肉がんの発生と関係があると考えられています。
さらに、歯による慢性的な炎症が長く続くことで、歯肉にがんが発生する確率が高くなるともいわれています。
これらのような様々な原因が複合することで、歯肉がんが発生するとされています。
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歯肉がんの症状 |
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歯肉がんの症状は、初期の段階では、歯ぐきの炎症と同じような症状が起こります。例えば、歯の痛み、歯茎のはれ、などの症状を感じるようになります。
歯肉がんが進行すると、しこりとなって潰瘍(しゅよう)ができ、 悪臭や神経痛のような痛みが出たり、出血することもあります。
さらに進行すると、歯肉のすぐ下にある骨の上顎骨(じょうがくこつ)や下顎骨(げがくこつ)へとがんが広がっていきます。そのために、歯がゆるんだり、抜け落ちたりすることがあります。
そして、がんは頬(ほお)の粘膜、口腔底(こうくうてい:舌の根本を包んでいる部分)、口蓋(こうがい:口腔と鼻腔とを境する組織のことを)などの周りへと進んでいきます。また、リンパ節などへ転移することもあります。
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