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非小細胞ガンと化学療法 |
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非小細胞がんには、約50%ぐらいの割合で抗ガン剤が有効です。がんを手術や放射線で治療して、さらに抗ガン剤も利用することで、がんを縮小できたり、生存率を上げたり、延命の効果も期待できます。
しかし、非小細胞がんでの抗がん剤の利用では、完治させることは難しいといえます。
非小細胞がんでは、2つの抗がん剤を同時に使う治療が行われています。シスプラチン、またはカルボプラチンという抗ガン剤を軸にして他の抗がん剤を使うのがよく行われる組み合わせです。
<非小細胞がんでの抗がん剤の組み合わせの例> |
・シスプラチン+イリノテカン
・シスプラチン+ゲムシタビン ・シスプラチン+ビノレルビン
・カルボプラチン+パクリタキセル |
非小細胞がんに対する化学療法の対象は、原則的には手術適応がないV期とIV期になります。
・V期-
縦隔リンパ節までがんの転移がある状態。(縦隔(じゅうかく)とは、左右の肺ではさまれた部分、胸部脊柱上の器官の集まり) 肺をとりまく臓器にがんが直接進行している状態。 がん性胸膜炎(がんせい きょうまくえん)を起こしている状態。
・W期- 遠隔転移(肺から離れた部分への転移)がある状態。脳、肝臓、骨、副腎など。
分子標的治療薬(ぶんしひょうてき ちりょうやく)が使われることもあります。分子標的治療とは、体内の特定の分子を狙い撃ちしてその機能を抑えることにより病気を治療する治療法です。
ゲフィチニブ(商品名-イレッサ)という分子標的治療薬は、従来の薬で効果がなかった方の
5人に 1人にがん縮小の効果があったと報告されています。腺がんに効果が高いようですが、副作用として間質性肺炎(かんしつせい はいえん)が起こる場合があります。
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※間質性肺炎とは、肺胞のまわりの壁の部分である間質の組織に炎症が起きる炎症性疾患の総称です。ウイルス感染や膠原病(こうげんびょう)が原因となるほか、抗がん剤・抗生物質・放射線治療の副作用により起こる場合がある。非常に致命的であると同時に治療も困難な難病。 |
それでは次のページでは、肺がんの治療「放射線療法」について見ていきましょう。
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