※前のページ「動脈硬化の症状A〜目・心臓・大動脈」の続きです↓
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腎動脈に動脈硬化が起こると・・・ |
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腎動脈とは、お腹を通る「腹部大動脈」から枝分かれして、左右に一つずつある腎臓(じんぞう)に血液を供給している血管のことです。
この腎動脈に動脈硬化が起こると、腎動脈が狭くなり血流が悪くなる「腎動脈狭窄症(じんどうみゃく きょうさくしょう)」になってしまいます。初期では症状は全くないですが、約70%以上の狭窄率になると高血圧などの症状が出る場合があります。
また、高血圧により、腎臓に集まっている細い動脈に動脈硬化が発生すると血流が悪くなり、腎臓へ流れる血液の量が減って老廃物の排泄(はいせつ)に障害が起こり、 腎臓が硬くなって腎臓の機能が低下する「腎硬化症(じんこうかしょう)」になってしまいます。
腎硬化症の症状は、良性腎硬化症の場合は、肩こり、頭痛、めまい、動悸(どうき)、吐き気(はきけ)、急激な血圧の上昇、蛋白尿(たんぱくにょう)、血尿などですが、自覚症状がない場合もあります。初期には、わずかな蛋白尿(たんぱくにょう)、進行すると腎臓の機能が低下して「尿毒症(にょうどくしょう)」、「腎不全(じんふぜん)」、「心不全」になることもあります。
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足の動脈に動脈硬化が起こると・・・ |
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四肢(しし:両手両足)、主に下肢(かし:足)が動脈硬化になると、動脈の血液の通る空間が狭くなったり、詰まってしまったりして血流障害が起こります。これを「閉塞性動脈硬化症(へいそくせい どうみゃくこうかしょう)」といい、下肢に起こるものは「下肢閉塞性動脈硬化症」といいます。
原因は、糖尿病、高血圧、高脂血症(脂質異常症)、タバコなどが原因です。高齢になることでも、発症しやすくなり、主に40〜50歳以降に発症することが多いです。
閉塞性動脈硬化症になると、「間欠性跛行症(かんけつせい はこうしょう)」が起こります。
間欠性跛行症(かんけつせい はこうしょう)とは、初めは脛骨(けいこつ:すねの骨)やひざの裏の動脈に起こり、歩いているとふくらはぎなどがこわばり痛くなります。少し休むと痛みはなくなりますが、症状が悪化してくると、ちょっと歩いただけで痛くなり、歩くことが困難になってしまう症状のことです。
間欠性跛行の症状は、糖尿病の合併症である神経障害を合併していると、あまり痛みを感じないことがあります。
閉塞性動脈硬化症が悪化すると、足の指から血管が詰まってしまい、そこに「壊疽(えそ)」が起こってしまうことがあります。
壊疽とは、下肢(かし)の動脈硬化により、血流が悪くなったり、血流が途絶えたりすることで、その部分の細胞がどんどん腐っていってしまう病気です。
壊疽の症状としては、足の指の炎症や痛み、冷感などです。特に喫煙歴が長い人に多いと言われています。
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