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目に動脈硬化が起こると・・・ |
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目の毛細血管(細小動脈)に動脈硬化が起こると、出血しやすくなり、「眼底出血」が発症してしまう場合があります。
眼底出血とは、目から入った光が突き当たる眼球の奥の部分の「眼底」に出血が起こるものです。目の網膜に起こる「網膜出血(もうまく しゅっけつ)」や目の硝子体(しょうしたい)に見られる「硝子体出血(しょうしたい しゅっけつ)」などがあります。
眼底出血の症状は、なんとなく目がかすむ、見えにくい、物がゆがんで見える、視野が欠ける、目の前に黒い小さな虫が飛んでいるように見える(飛蚊症:ひぶんしょう)、視力が下がる、などです。
糖尿病が進んでくると、まず目の網膜の血管に動脈硬化が起こるので、眼底出血が発生しやすくなります。ですから糖尿病の検査は、まず眼底出血を起こしているかを見る検査を行います。
心臓の表面をはしっている血管の「冠動脈(かんどうみゃく)」に動脈硬化が起こると、初期では、階段を昇るときに息切れがする、動悸(どうき)がするなどの一般的な心臓病の症状が起こることが多いです。
そして、冠動脈の動脈硬化がさらに進行してくると、「狭心症(きょうしんしょう)」、「心筋梗塞(しんきんこうそく)」が発症してしまう危険があります。
狭心症とは、冠動脈(かんどうみゃく)の血液の流れる空間が狭くなってしまう病気です。冠動脈が狭くなると、心臓の筋肉である「心筋」の細胞へ流れる血液が一時的に不足してしまうので、酸素や栄養が不足して激しい胸の痛みなどの症状が現れます
心筋梗塞とは、冠動脈に発生した動脈硬化により、血液の流れが止まってしまい、心臓の細胞に血液が行き渡らなくなることで、心臓の筋肉(心筋)の細胞が死んでしまう状態のことです。とても激しい胸の痛みや、冷や汗、吐き気などの症状が現れます。
※狭心症や心筋梗塞についてさらにくわしくは、狭心症のカテゴリの「狭心症とは?」、心筋梗塞のカテゴリの「心筋梗塞とは?@」、のページをご覧下さい。
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大動脈に動脈硬化が起こると・・・ |
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大動脈とは、全身に血液を送る身体の中で最も太い動脈です。大動脈は、心臓から出て上の方へ向かい、弓状にUターンして胸の左側の後ろ辺りを下に向かい、横隔膜(おうかくまく)をつらぬいて腹部を通り、へその少し下の辺りで左右に分かれています。
この大動脈に動脈硬化(粥状硬化:じゅくじょうこうか)が起こると、動脈壁が弱くなり、血圧のために血管壁は押し広げられ、動脈壁が瘤(こぶ)のようにふくらみます。これを 「動脈瘤(どうみゃくりゅう)」といいい、大動脈にできる動脈瘤を「大動脈瘤」といいます。
動脈瘤は突然破裂する危険があり、破裂して出血を起こすと、生命に関わることがあります。
ちなみに、くも膜下出血の原因の約85%が「脳動脈瘤の破裂」です。(くも膜下出血については「くも膜下出血とは?」のページをご覧ください)
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