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痛風とメタボリックシンドローム |
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痛風とは、血液の中の尿酸値が高い状態(高尿酸血症の状態)が数年間続くことで、突然、足の指の付け根、足関節、などが赤く腫れて、激痛が起こる病気です。
体の細胞にある「核酸(かくさん)」は、細胞が新陳代謝(しんちんたいしゃ)を繰り返し、エネルギーを作るときに「プリン体」へ分解されて、最終的には「尿酸(にょうさん)」として、尿の中や便の中へと排泄(はいせつ)されます。
このプリン体と呼ばれる物質の代謝障害により、尿酸が多く作られすぎて血液の中の尿酸が多くなりすぎている状態を「高尿酸血症(こうにょうさんけっしょう)」といい、高尿酸血症が長く続くと痛風になってしまいます。
高尿酸血症になる生活習慣は、メタボリックシンドロームと共通しています。ですから、メタボリックシンドロームの人は高尿酸血症と痛風にも注意が必要です。
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痛風の人数と性別 |
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痛風は、性別で見ると男性に多く、若者にも増えてきている病気です。
また、日本の痛風の患者さんは数十万人いて、患者数は増えてきているようです。患者数が増加している理由は、食の欧米化により、高エネルギーの食事を取る量が増えたことや、アルコール量(お酒)の増加、などが上げられます。
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痛風の原因 |
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痛風の原因は、高エネルギーの食事とアルコール(お酒)です。アルコールは尿酸代謝をにぶらせます。
また、肥満・メタボリックシンドロームの方も注意が必要です。脂肪は尿酸がつくられるのを増やして、腎臓からの尿酸の排出をおさえてしまうので、血中の尿酸の量が増えて、高尿酸血症になる危険が高くなります。
他にも、ストレス、運動不足も痛風の原因となります。
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痛風の症状 |
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「風が吹いても痛い」というところから名付けられた痛風の症状は、「激しい痛み」です。
突然、足の指の付け根に激痛が起こることが多いです。また、ひざなどの足の関節などに激痛が起こることもあります。痛みがあるところが赤く腫れる場合もあります。
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痛風の検査と診断 |
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痛風は、血液の中の尿酸が異常に多い状態である「高尿酸血症」が長く続くことにより発症します。
高尿酸血症であるとされる尿酸値は、「7.0mg/dl 以上」です。
尿酸値の正常値は「5.0mg/dl」で、尿酸値「7.0mg/dl 未満」では痛風の発作の可能性なし、「7.0〜8.0mg/dl 未満」では発作の可能性あり、「8.0〜9.0mg/dl 未満」では要注意、「9.0mg/dl 以上」では発作の可能性がかなり高い、とされます。
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痛風の治療 |
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痛風の治療は、痛みがあるときは「コルヒチン」を服用します。
痛みがおさまったら、血液の中の尿酸値を正常にするために、尿酸を尿の中に排泄(はいせつ)させる薬(プロベネシド)や、尿酸が作られすぎないようにする薬(アロプリノール)などを使います。
また、肥満にならないような食生活にしたり、アルコール(お酒)を飲み過ぎないようにすることも痛風の治療として大切です。
ただ、痛風の発作(痛み)がおさまったとしても、尿酸値が上がらないようにする治療は一生続けていく必要があります。
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痛風の合併症 |
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痛風は、治療せずに放置しておくと様々な「合併症」が起こってしまいます。
主な合併症は、「動脈硬化」、「腎障害(じんしょうがい)」、「尿路結石(にょうろけっせき)」などがあります。
合併症は少しづつ確実に進行してき、体をむしばんでいくとても怖いものです。ですから、痛風の方はしっかり治療して、尿酸値にも注意しましょう。
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痛風の予防と改善 |
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痛風の予防と改善方法は、生活習慣を改善することが大切です。そして肥満している人は減量します。
食生活では、プリン体の多い食品(魚の卵や動物の内臓:たらこ、レバー、白子、など)を食べ過ぎないようにして、アルコール(特にビール)を飲み過ぎないようにします。
さらに、運動不足だと尿酸値が高くなるので、適度な有酸素運動(ウォーキング・ジョギングなど)をして運動不足を解消します。ただ、普段運動をしない人が激しい無酸素運動をすると痛風発作(痛み)が起きやすいので注意しましょう。
ストレスや緊張も尿酸値を上げる原因となります。ストレス解消も心がけましょう。
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