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膀胱がんの症状 |
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膀胱がんの症状は、初期の段階ではほとんど症状がありません。癌(ガン)が進んでくると、痛みがなく、目でみて血が混じっていることがはっきりわかるぐらいの血尿が出るようになります。
血尿は毎回出るわけではなく、数日たつと止まることがあります。血尿が出るときと出ないときを繰り返しながら、がんはさらに進行していきます。
ただ、血尿が出たからといってそれが膀胱がんであるかどうかはわかりません。血尿は他の病気でも起こる症状なので、しっかりと検査をして調べる必要があります。
がんが悪性度の高い「浸潤がん」や「上皮内がん」である場合は、初期症状で、排尿痛、下腹部の痛み、が起こる場合があります。この症状は膀胱炎ととてもよく似ています。
さらに病気が進むと、尿が出にくい、尿の回数が増える(頻尿:ひんにょう)、残尿感、などの「排尿障害」が起こります。もっとがんが進むと、血尿が続くようになり、腎盂炎(じんうえん)になることもあります。
がんが尿管へ転移すると、尿管の閉塞(へいそく:閉じてしまうこと)による尿毒症(にょうどくしょう)、また水腎症(すいじんしょう)を発症することもあります。水腎症になると、背中の痛みや腰痛を感じるようになります。
※ちなみに、「水腎症」とは、尿の流れが妨げられることで、逆流した尿の圧力が腎臓にくわわるために、腎臓が尿で拡張した状態のことです。「尿毒症」とは、尿とともに排出されるはずの老廃物が血液の中にたまってしまう状態です。
骨盤のリンパ節、後腹膜リンパ節、などに転移すると、下肢(かし:足のこと)の痛み、頭痛、嘔吐(おうと)などが起こります。
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膀胱がんの原因 |
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膀胱がんの原因は、大部分が解明されていませんが、喫煙(たばこ)がよくいわれている原因です。たばこを吸う人は吸わない人の約 2倍〜 4倍ぐらい膀胱がんが発生しやすいというデータがあります。男性の約50%、女性の約30%の膀胱がんは、喫煙が原因で発生するともいわれています。
以前では、アリニン系の色素やゴム工場で働いていた人に多く発生していたので、職業がんとして有名でした。ただ、今では膀胱がんを発生させる色素や染料などの発がん物質は製造中止になっています。
また、鎮痛剤のファナセチン、精神安定剤のクロルプロマジン、抗がん剤のシクロホスファミドなどは、膀胱がん発生の確率を高める危険があるとされています。さらに、コーヒーや塩素消毒した飲料水もリスク要因の候補とされています。
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