脳出血の診断は、運ばれてきた患者さんの呼吸管理、血圧管理、点滴の準備などを行い、「問診(もんしん)」、「CT検査」、「MRI検査」を行います。
検査はCT検査とMRI検査で100%診断することができますが、必要に応じてその他検査(脳波検査、MRA検査、脳血管造影、動脈血ガス分析、など)を行います。
脳出血では、脳の出血した部分やその出血量などにより治療の方法が変わるので、患者さんの状態をしっかり把握する必要があります。
患者さんの麻痺(まひ)の場所や、意識障害があるか、眼球の動きはどうか、などの症状から患者さんの状態を確認しして、「問診」を行います。
問診は、医師が患者さんに脳出血による症状・発作の具合や、高血圧があるかなどの生活習慣病の有無、また喫煙・飲酒などの日常生活などについて質問します。ただ、患者さんに意識障害などがあり、問診に答えられない場合は、付き添いの人が答えられる範囲で質問されます。
そして、脳出血である可能性が高いとされたら、「CT検査」を行います。「CT検査」とは、体を輪切りにした断面を画像化して調べることができる検査です。脳出血があると、CT検査により脳の出血した部分が白く写ります。
脳出血の原因が高血圧である場合(高血圧性脳出血)は、「被殻出血(ひかく しゅっけつ)」、「視床出血」、「脳幹出血」、「小脳出血」、などのタイプの脳出血であると考えられます。
血圧が正常である場合は、高血圧以外が原因であるということになります。
出血している部分が複数ヶ所ある場合は、「アミロイド血管症」の可能性も出てきます。
また、意識がはっきりしている場合や、傾眠(けいみん:放置しておくと眠ってしまうが、叩いたり声を掛けたりすることで目を覚ます状態)などの状態の場合は、「脳ヘルニア」にまで悪化していないと考えられます。(脳ヘルニアについては「脳出血とは?」のページをご覧下さい。)
ただ、混迷(こんめい:意識ははっきりしているが、外界の刺激にはまったく無反応な状態)、半昏睡(はんこんすい:強い刺激に少し反応する状態)、昏睡(こんすい:意識が完全に消失し、刺激にも反応しない状態)、などの状態の場合は、脳ヘルニアが起こっている可能性が高いので、とても危険な状態です。
|