※前のページ「脳出血の種類と症状@」の続きです↓
脳出血は、脳の出血する場所により、「被殻出血(ひかく しゅっけつ)」、「視床出血(ししょう しゅっけつ)」、「皮質下出血(ひしつか しゅっけつ)」、「脳幹出血(のうかん しゅっけつ)」、「小脳出血(しょうのう しゅっけつ)」の 5つの種類があります。
それでは、脳出血が起こった場所とそれによる症状について、発症がよく見られる順にくわしく見ていきましょう。
|
被殻出血 (ひかく しゅっけつ) |
|
|
「被殻出血(ひかく しゅっけつ)」とは、脳の中央にある「被殻(ひかく)」という場所から出血する脳出血です。脳出血の中でもいちばん多くみられるもので、脳出血の約40%ぐらいを占めています。
被殻出血による主な症状は、「片麻痺(かたまひ)」、「感覚障害」、「片側の視野障害(同名性半盲:どうめいせい はんもう)」などで、さらに進行すると「意識障害」が起こります。
また、優位半球(ゆうい はんきゅう)に出血が起こった場合は「失語症(しつごしょう)」が起こります。ちなみに、優位半球とは、大脳半球の左右いずれか一方がある機能に関して主として働く半球のことです。一般に、右利きの人の脳は左側(左脳)が優位半球になります。
失語症とは、話すことや言葉を理解する、聞く、読む、などの言語に関することの全てがうまくできなくなる状態のことです。
出血が被殻の部分だけなら症状は軽くすみますが、出血が基底核部の内包(運動神経線維が扇のかなめのように集まっている部分)にまで及んでしまうと、出血部位の反対側に麻痺(まひ)や感覚障害が起こります。
被殻出血の発症時で多いのが、頭痛が起こり意識が薄れていくという症状です。
※次のページ「脳出血の種類と症状B〜視床出血・皮質下出血」へ続く・・・・ |