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視床出血 (ししょう しゅっけつ) |
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視床出血(ししょう しゅっけつ)とは、大脳半球に囲まれた位置にある間脳(かんのう)の一部を占める部位である「視床(ししょう)」に出血が起こる脳出血です。脳出血では 2番目に多くみられ、全体の約30%ぐらいを占めています。
ちなみに、視床は、視覚、聴覚、体性感覚などの感覚入力を大脳新皮質(だいのう しんひしつ)へ中継する役割があります。
視床出血の症状は、「しびれ」、「片麻痺(かたまひ)」、「感覚障害」、などです。また、視床出血では、出血した後に「視床痛(ししょうつう)」という半身の激しい痛みが起こることがあります。
出血が視床だけの場合は、症状はしびれを感じる程度ですが、基底核部の内包にまで出血がおよんでしまうと、麻痺が起こります。また、脳室が近いので、「脳室内出血(のうしつない しゅっけつ)」を起こすこともあります。
視床出血は死亡率が高い脳出血ですが、命が助かっても、しびれ、痛み、意識障害、片麻痺、などの後遺症が残ることが多いです。
皮質下出血とは、大脳半球の表面を覆う灰白質の皮質である「大脳皮質」のすぐ下で出血する脳出血です。頭頂葉(とうちょうよう)、側頭葉(そくとうよう)、前頭葉(ぜんとうよう)などの皮質下によく見られます。
皮質下出血は、脳出血では3番目に多くみられ、全体の約5〜10%を占めています。
症状は、出血する部位により異なりますが、「けいれん」を起こすことがあります。また、軽度から中等度の「片麻痺」、「失語」、「半盲(はんもう)」、などが起こります。
皮質下出血は、他の脳出血よりも症状が軽いことが多いため、治療後の経過も良いことが多いです。
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