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脳幹出血 (のうかん しゅっけつ) |
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脳幹出血(のうかんしゅっけつ)とは、脳幹と呼ばれる部分が出血する脳出血で、「橋出血(きょうしゅっけつ)」とも呼ばれます。脳出血全体の約 5%がこのタイプの脳出血です。
脳幹とは、間脳(かんのう:視床・視床下部)、中脳、延髄(えんずい)、橋(きょう)、で構成されていて、脳と脊髄(せきずい)を結ぶ部分にあり、末梢神経(まっしょうしんけい)や筋肉にもつながっています。体温調節、呼吸、心臓の運動、などの生命維持に関わる神経が集中している部分です。
脳幹出血の症状は、「呼吸障害」、「意識障害」、「眼球運動障害」、「四肢麻痺(ししまひ)」、「縮瞳(しゅくどう:瞳孔径が3mm以下になる)」「高熱」、などが起こります。
眼球運動障害とは、両目が一つの方向にかたよったり、鼻をみつめたりする状態です。四肢麻痺とは、両手両足の麻痺のことです。
脳幹出血は、命に関わる状態になることが多いです。脳幹出血が起こると、数分で昏睡状態になり、数時間のうちに死亡してしまうこともあります。
小脳出血(しょうのう しゅっけつ)とは、脳の一部である小脳に出血が起こる脳出血です。脳出血全体の約 5%がこのタイプの脳出血です。
小脳とは、大脳の尾側(びそく)・脳幹の背側(はいそく)にあり、運動関連の命令を処理する部位です。
小脳出血の症状としては、運動をつかさどる小脳で脳出血が発症するので、「突然の回転性の めまい」、「吐き気・嘔吐(おうと)」、「頭痛」、「歩行障害」、「意識障害」、「起立障害(きりつしょうがい)」、などが起こります。体の左右どちらかがマヒする片麻痺(かたまひ)は起こりません。
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