※前のページ「高脂血症の薬物療法A〜コレステロールの薬」の続きです
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中性脂肪(トリグリセリド)を下げる薬 |
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中性脂肪(トリグリセリド)を下げる薬には主に、「ニコチン酸製剤」、「クロフィブラート系製剤」、などがあります。
それではそれぞれの薬について簡単に見ていきましょう。
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ニコチン酸製剤 (にこちんさんせいざい) |
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ニコチン酸製剤とは、中性脂肪とコレステロールの両方が多い人に使われるのが普通ですが、どちらか一方だけが多い人にも使います。
ビタミンB群の一種である「ニコチン酸」は、肝臓での中性脂肪(トリグリセリド)の合成を抑制します。そして、血液中のコレステロールと中性脂肪を減らして、HDL値(善玉)を上昇させます。
薬が効くスピードは穏やかで、総コレステロール値は約15%、中性脂肪は20%ぐらい下げるといわれています。
また、動脈硬化の予防効果もあります。
副作用は、顔のほてり(フラッシング)、皮膚のかゆみ、体が熱くなる、口が渇く、糖尿病の人ではニコチン酸製剤を飲むと血糖値が上がることが多いです。
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クロフィブラート系製剤 |
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クロフィブラート系製剤とは、中性脂肪(トリグリセリド)の合成を抑制します。
この薬による中性脂肪が下がる効果は強く約30〜40%ですが、コレステロールを下げる効果は、約10%ぐらいです。
また、HDL(善玉)を増加させるので、動脈硬化の予防効果もあります。
副作用は、筋肉が萎縮(いしゅく)する横紋筋融解症(おうもんきん ゆうかいしょう)」、胃腸障害、肝臓障害、胆石、などがあります。
それでは次のページでは、薬物療法の注意点について見ていきましょう。
※次のページ「高脂血症の薬物療法C〜注意点」へ続く・・・・
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