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適正なエネルギー量をとる |
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高コレステロール血症、高中性脂肪血症、混合型高脂血症に共通して行う食事療法です。
1日の摂取するカロリー(エネルギー)を適正なエネルギー量(適正カロリー)にします。エネルギーを取りすぎていると高脂血症(脂質異常症)を進行させるだけでなく、肥満、高血圧、糖尿病、などになる可能性を高くしてしまいます。
ですので、1日に食べる食事のカロリーを必要最低限におさえる必要があります。
1日にどれぐらいのカロリーが適正なエネルギーなのかは、計算式により算出することができます。
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適正なエネルギー量の計算方法 |
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では、適正エネルギー量(適正カロリー)を算出する前に、まずは標準体重を計算しましょう。
標準体重(kg) = 身長(m)×身長(m)×22
※身長の単位は「メートル」で行ってください。つまり「170cm」の人であれば「1.7m」になりますので、「1.7×1.7×22=63.58」なので、標準体重が「63.58kg」となります。
標準体重が計算できましたら、次は適正エネルギー量の計算です。
適正エネルギー量とは、1日に必要な最小エネルギー量のことで、1日に何kcal(キロカロリー)の食品を食べるのがベストなのかがわかります。
適正エネルギー量の計算方法は下記の通りです。
・適正エネルギー量 =
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標準体重(kg)× |
体重
1kgあたりの 必要なエネルギー(kcal) |
※「体重1kgあたりの必要なエネルギー」の数値は、下記の表の「運動強度と必要エネルギー」を参考にしてください。
運動強度 |
必要エネルギー |
解説 |
軽い |
25kcal |
主婦・事務職など 部屋中心の生活 |
普通 |
30kcal |
特に重労働を していない人 |
やや重い |
35kcal |
1日に 1時間ぐらいの 重労働がある人。 |
重い |
40kcal |
1日に
2時間以上の 重労働をしている人。 |
上の標準体重の計算式で、身長170cmの人の場合を計算して、「63.58kg」という数値が出ました。
この標準体重の数値をもとに、上の表の日常で特に重労働をしていない「運動強度が普通」の数値「30kcal」により適正エネルギー量を計算すると、下記のようになります。 63.58kg×30kcal
= 1,907.4
つまり、「身長170cmの人は 1日に 1,907kcal ぐらいのカロリーが適正エネルギー量である」、ということになります。
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注意点・・・間食と飲酒 |
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適正エネルギー量を算出できだでしょうか?高脂血症ではこの適正エネルギー量を守って、毎日食事の献立を組み立てて、食事をしていきます。
算出した1日の適正エネルギー量を3で割ると、1日3食のうちの1食分のエネルギー量がわかります。
ただ、注意して欲しいのは「間食」です。1日の適正エネルギー量は、1日に取れるエネルギーの総量なので、間食もその中に含まれます。
ですから、間食したい方は、その分も考えて3食のエネルギー配分を考えなければいけません。
お酒を飲む人も同様です。お酒にもカロリー(エネルギー)があるので、その分も考えて食事をとる必要があるので、気を付けて下さい。
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