胆嚢がん・胆管がんのステージは、胆嚢壁(たんのうへき)や周囲への進展度、リンパ節転移、肝転移、播種(はしゅ)、その他の遠隔転移、などがあるかどうかによって、T〜W期まで分類されています。
▼胆嚢がん(胆のうがん)のステージ(病期)分類
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・ステージT期
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がんが胆嚢の中にとどまっている状態。 |
・ステージU期
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がんが胆嚢壁内にとどまっているが、T期よりは進行して
いる状態。胆嚢壁や周囲への進展度、リンパ節転移の有無
によって細かく規定されている。 |
・ステージV期 -
がんが胆嚢壁の外へ出ている状態。リンパ節転移がある
場合が多く、肝臓や胆管側などへ浸潤(しんじゅん)している
状態。 |
・ステージW期
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がんが胆嚢の外の他の臓器や主要な血管へ浸潤して
いる状態。リンパ節転移があり、肝臓などへも深く浸潤し、
遠隔転移もしている。
リンパ節転移や胆嚢以外の臓器への転移の状況に
よってさらに「Wa期」と「Wb期」に分類されている。 |
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▼胆管がんのステージ(病期)分類
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・ステージT期
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がんが胆管の中だけにとどまっている状態 |
・ステージU期
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がんが胆管壁を越えている状態。胆管と隣り合う臓器
に広がっている可能性がある、または胆管の近くのリンパ
節に転移をしている状態 |
・ステージV期 -
胆管と隣接している臓器(肝臓、膵臓、十二指腸、胆嚢
など)に直接ガンが進んでいるが、その範囲が近くにとどま
っている状態。またU期より遠くのリンパ節に転移して
いる。 |
・ステージW期
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V期より広い範囲にガンが進んで遠隔転移してる状態。
また腹部の中にがん細胞がひろがる腹膜播種(ふくまく
はしゅ)がある状態。 |
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胆嚢には、胃や腸と違い、癌(がん)の進展を妨げる「粘膜筋板(ねんまくきんばん)」という組織がないので、筋層が薄くなっています。
この筋層の薄さが、がんの広がりが早くなる原因です。肝臓、胆管、リンパ節へとすぐに広がってしまいます。
ですから、胆嚢がんは、発見されたときにはすでにガンが進行してしまっていることがほどんどです。
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