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胆嚢がん(胆のうがん)の手術 |
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早期の胆嚢がん(胆のうがん)では、癌(がん)が粘膜層か、そのすぐ外側の筋層でとどまっている状態なら、手術により胆嚢を摘出し、周りのリンパ節を切除します。
また、総胆管の切除や、胆嚢に近い肝臓の一部の切除を合わせて行うこともあります。
進行した胆嚢がんでは、ガンの広がり具合などの状態によって手術方法を決定します。胆管や肝臓にまで癌が進んでいる場合は肝臓を大きく切除します。また、膵臓(すいぞう)の周りのリンパ節への転移がみられる場合は膵臓を大きく切除します。
胆嚢や胆管とともに肝臓と膵臓を取り除く手術を、肝膵同時切除(かんすい どうじ せつじょ)といいます。十二指腸や大腸も切除しなければならない場合もあります。手術後の再発も少なくありません。
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胆管がんの手術 |
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胆管は、肝臓に近いほうから下へ向かって、上部胆管、中部胆管、下部胆管にわけることができます。
胆管がんの手術は、これら上部・中部・下部、そして乳頭部(にゅうとうぶ)・肝門部(かんもんぶ)などのがんができる場所、さらにガンの状態により方法が変わります。
胆管癌で手術できるのは、胆管がん全体の約30%ぐらいで、下部の胆管ほど手術で切除できる確率は高くなります。
※ちなみに、乳頭部とは、胆管が十二指腸に開口している部分です。肝門部とは、胆管や血管が肝臓に出入りする場所のことです。
それでは各部位の胆管がんの手術についてみていきましょう。
下部胆管がんと乳頭部がんの手術は、「膵頭十二指腸切除術(PD)(すいとう じゅうにしちょう せつじょじゅつ)」が標準的に行われます。この手術は、膵臓(すいぞう)の一部、十二指腸、胃の一部、胆管などを切除する手術で、かなり大きな手術ではありますが、現在では安全に行うことが可能です。
中部胆管がんの場合は、がんの肝臓側への広がりの程度によって、膵頭十二指腸切除術(PD)だけでなく、さらに肝臓の切除も行います。
上部胆管がん、特に肝臓内の胆管へガン(肝門部胆管がん)が広がっている場合、肝臓の切除が必要になることがあります。
肝臓内の胆管へのがんの広がり具合によって、肝臓を 半分以上切除する場合もあります。
がんが進行していて、手術によりがんが切除できない場合には、症状を取り除くことを目的とした手術が行われることもあります。それが姑息手術です。
例えば、胆管がんの場合は、黄疸(おうだん)を減らすために小腸と胆管をつなぐなどの姑息手術を行います。
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