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肝動脈塞栓術(かんどうみゃく そくせん じゅつ) |
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肝動脈塞栓術とは、肝動脈をあえて詰まらせて血流をとめて、ガンに栄養や酸素が行き渡らないようにすることで、ガンを壊死させる治療法です。
ふともものつけ根の部分にある大腿動脈(だいたい どうみゃく)からカテーテルと呼ばれる細い管を入れて、肝動脈にゼラチン・スポンジやリピオドール(油性造影剤)などを詰まらせ(塞栓させ)ます。
血管を詰まらせて肝臓は大丈夫なのかと思われるでしょう。でも、がんは肝動脈のみから栄養を得ていますが、肝臓は肝動脈だけでなく門脈(もんみゃく)からも栄養を得ているので、肝動脈を詰まらせても問題ありません。ただ、なるべくガンに関係している血管に的をしぼって詰まらせるようにします。(※ちなみに門脈とは、腸や胃などの消化器からの静脈が集まったものです。)
通常、治療の効果を上げるために、詰まらせる薬剤に抗がん剤を混ぜます。こうすることで、抗がん剤は長い間 ガン組織にとどまるので、少しづつ効果があらわれます。そのために副作用が少なく、多量の抗がん剤が投与できるので、有効な治療ができます。
肝動脈塞栓術を行う条件は、黄疸(おうだん)や腹水(ふくすい)などがなければ受けられます。
副作用は、吐き気・腹痛・食欲不振・発熱などです。だいたい 2、3日でこれらの症状はおさまります。
肝動脈塞栓術は、副作用が少なく、治療後の回復も早いというメリットがありますが、この治療法で完治する確率はあまり高くないので、繰り返し行う場合もあります。
また手術の前や、手術後の再発への治療として行われることもあります。
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