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肝臓がんの外科療法(手術) |
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肝臓がんの治療として外科療法(手術)は、最も有効で根治を期待できる治療法です。がんの状態や肝臓の機能を考慮して手術をするかどうかが決定されます。
例えば、肝臓の機能が十分ある状態(肝障害度がA〜B)で、がんの数が少ないときは、肝臓の切除手術がいちばんに選択されます。
肝臓がんの方の 80%以上が、がんになる前から肝硬変(かんこうへん)を合併していますが、肝硬変をともなっている肝臓がんでも、超音波などで観察しながら行うことで、手術により安全で確実にがんのある部分を切除することができます。
手術を受けたことにより死亡する確率は 1%以下というデータを見ても、肝臓がんの手術の安全性がわかります。
肝臓がんの手術方法は、「切除手術」と「肝移植」になります。
切除手術とは、肝臓のがんを肝臓の一部と共に切除する手術で、肝臓を切除する量は、がんの進行具合と肝障害度により決まります。
※がんの進行具合とは、がんの大きさ、数、分布のことです。
※肝障害度とは、肝臓に他の病気などの問題があるかどうかということです。腹水(ふくすい)や黄疸(おうだん)があるのに大きく肝臓を切除してしまうと、「肝不全」を引き起こしてしまう可能性が高いので、この場合は肝臓は切除しません。
肝臓の切除法は、肝臓の切除範囲が広い順番に、「葉切除術(よう せつじょじゅつ)」、「区域切除術(くいきせつじょじゅつ)」、「亜区域切除術(あくいき せつじょじゅつ)」、「部分切除術」、「核手術(かくしゅじゅつ)」、などがあります。核手術はがんのみを切除する術式です。
▼肝臓の切除法
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・葉切除術 - 肝臓を最も大きく切除する術式。
肝右葉切除術・・・肝臓の右側半分を切除
肝左葉切除術・・・肝臓の左側半分を切除 |
・区域切除術 |
・亜区域切除術 |
・部分切除術 - がんと共に肝臓の一部分を切除する術式
肝部分切除術・・・肝臓の一部分を切除 |
・核手術 - がんのみをくりぬく手術です。 |
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※肝臓は、左右二つの葉(よう)から構成されています。そして門脈(もんみゃく)から枝分かれした血管の支配領域によって、さらに 8つに分割することができます。これを区域といいます。
最近では、お腹を切り開かない腹腔鏡(ふくくうきょう)による肝蔵切除も徐々に行われつつありますが、適応は限定されています。
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