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肝臓がんの局所療法とは? |
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肝臓ガンの局所療法(きょくしょりょうほう)は、「エタノール注入療法」、「マイクロ波凝固療法」、「ラジオ波焼灼療法(らじおはしょうしゃくりょうほう)」の3つがあります。
これらの治療法は、皮膚の上から長い針をがんに直接刺して治療します。お腹を切らずに治療できるので、手術の後の回復も早く、患者さんの負担も少ないというメリットがあります。
ただ、広い範囲を治療するのは難しいという限界もあります。また、治療を行う医師の技術も重要となります。
それでは、各治療法についてくわしく見ていきましょう。
エタノール注入療法とは、無水エタノール(純アルコール)を肝臓がんへ注射して、アルコールの化学作用によりがん組織を凝固壊死(ぎょうこえし)させる治療法です。
エタノール注入療法を行う条件は、3cmのがんが 3個以下の場合です。2cm以下であれば、手術での治療と同じぐらいの治療効果が期待できます。さらに再発したがんに対しても行います。
エタノール注入療法のメリットは、安全で身体に与える副作用が少なく、短期間で回復できるという点です。
デメリットは、超音波でよく見えない場合、エタノールの注入が安全で十分にできない場合があるという点です。
マイクロ波凝固療法とは、皮膚からがんへ電極を差し込んで、マイクロ波を放出して、がんを加熱し凝固させます。
これは、電子レンジでものを加熱する原理と同じです。水を含む物質は、マイクロ波が照射されると水の分子の間に摩擦熱が起こります。この熱により、がんを凝固させるのです。
マイクロ波凝固療法を行う条件は、3cm以下のガンです。
ラジオ波焼灼療法とは、針のようなものを体の外からがんに挿入して、通電することでその針の先端から発する熱によりがんを焼く治療法です。
ラジオ波焼灼療法を行う条件は、3cmのがんが 3個以下の場合です。
ラジオ波焼灼療法は、エタノール注入療法よりも、少ない治療回数で優れた治療効果が得られます。そのため、最近ではラジオ波焼灼療法が主流です。
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