非ホジキンリンパ腫

悪性リンパ腫とは、白血球の中のリンパ球が悪性化したがんのことです。症状としては、全身のリンパ節がはれたり、腫瘤（しゅりゅう）ができたりします。リンパ球とは、体内への侵入物から体を守る免疫機能をつかさどる細胞です。

悪性リンパ腫には様々な種類がありますが、それらは大きく「ホジキン病（ホジキンリンパ腫）」と「非ホジキンリンパ腫」に分類することができます。割合的には、ホジキン病が約10％、非ホジキンリンパ腫が約90％で、非ホジキンリンパ腫のほうが多いです。

	非ホジキンリンパ腫の症状

早期では症状がほとんどあらわれません。腫瘍（しゅよう）が大きくなって、周りの組織が圧迫されることで症状が現れてきます。首、わきの下、足の付け根などのリンパ節から発生するものと、胃、大腸などのリンパ節以外の組織から発生するものがあります。

非ホジキンリンパ腫の症状は、首、わきの下、足の付け根や、その他のリンパ節が腫れてくることが多いです。痛みは感じません。

さらに、発熱、異常な寝汗、体重減少、過度の皮膚のかゆみ、などがあらわれることもあります。

	非ホジキンリンパ腫の種類と分類

非ホジキンリンパ腫は細かな特徴により、20種類以上のリンパ腫に分類されています。

非ホジキンリンパ腫は多くの分類法がありますが、腫瘍細胞（しゅようさいぼう）の性質による分類と、病気の進行のスピードによる分類があります。

腫瘍細胞の性質による分類は、「B細胞型」、「T細胞型」、「NK細胞型」、などに分ける方法があります。日本人では、B細胞型が約80％を占めるといわれています。

病気の進行スピードによる分類は、「軽度悪性群（低悪性度リンパ腫）」、「中等度悪性群（中悪性度リンパ腫）」、「高度悪性群（高悪性度リンパ腫）」、の3つに分けられます。

軽度悪性群（低悪性度リンパ腫）は、治療をすることなく観察した場合の経過が、年単位でゆっくりと進行するリンパ腫です。代表的なものは、「濾胞性リンパ腫（ろほうせい りんぱしゅ）」です。

中等度悪性群（中悪性度リンパ腫）は、「アグレッシブリンパ腫」ともいい、月単位で進行するリンパ腫です。代表的なものは、「びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫」です。

高度悪性群（高悪性度リンパ腫）は「高度アグレッシブリンパ腫」ともいい、治療を行わないと週単位で進行してしまいます。代表的なものは、急性白血病に近い「リンパ芽球性リンパ腫（りんぱ がきゅうせい りんぱしゅ）」や「バーキットリンパ腫」です。

日本では、「びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫」と「濾胞性リンパ腫（ろほうせい りんぱしゅ）」が最もよくみられるものです。