悪性リンパ腫の症状は、首、腋(わき)の下、足のつけ根などのリンパ節の多い部位に、痛みの無い小指の先ぐらいの「しこり」にが出てきます。そして、そのしこりがだんだんと大きくなっていきます。
ホジキン病(ホジキンリンパ腫)と非ホジキンリンパ腫で発生するしこりは、痛みが無いというところは共通していますが、しこりが発生する場所(部位)や初期の症状には違いがあります。
ただ、急激に大きくなる場合は、痛み、熱感、発赤、などのリンパ節炎と似た症状が起こります。
全身に起こるな症状としては、「体重の減少」、「発熱」、「異常な寝汗」、などの症状が起こることがあります。これらの
3つの症状を「B症状」といい、特に重要とされています。また、体のかゆみ、皮膚の発疹(ほっしん)、いろいろな場所の痛みなども起こることがあります。
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ホジキン病(ホジキンリンパ腫)の症状 |
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多くの場合は、「頸部リンパ節の腫(は)れ」から始まります。痛みは無く、肝臓、骨髄、肺などに広がることもあります。頸部リンパ節とは、顎(あご)の骨より下で、鎖骨(さこつ)の辺りよりも上の領域にある首のリンパ節のことです。
リンパ節の腫れだけしか症状があらわれない場合もありあますが、その他の症状として、食欲不振、発熱、体重減少、全身倦怠感(ぜんしん けんたいかん)、などの全身の症状が起こる場合もあります。
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非ホジキンリンパ腫の症状 |
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早期では症状がほとんどあらわれません。腫瘍(しゅよう)が大きくなって、周りの組織が圧迫されることで症状が現れてきます。首、わきの下、足の付け根などのリンパ節から発生するものと、胃、大腸などのリンパ節以外の組織から発生するものがあります。
非ホジキンリンパ腫の症状は、首、わきの下、足の付け根や、その他のリンパ節が腫れてくることが多いです。痛みは感じません。
さらに、発熱、異常な寝汗、体重減少、過度の皮膚のかゆみ、などがあらわれることもあります。
頸部(けいぶ:首の辺り)から縦隔(じゅうかく:胸の辺り)にかけて発生します。
病状が進むと腫瘍が大きくなり、縦隔を圧迫するので呼吸困難になり、顔や上皮(じょうひ)にむくみが出る場合があります。※上皮とは、体表面(皮膚)や、口から肛門までのパイプ状につながる消化管の内側の組織ことです。
そして、胸水(きょうすい)がたまると胸膜炎(ふくまくえん)に似た症状が発症します。
※ちなみにT細胞とは、血液の中を流れている白血球のうち、リンパ球と呼ばれる細胞の一種で、胸腺(きょうせん)でつくられています。
B細胞型は、大腸や小腸の壁、腸間膜のリンパ節から発生することが多いです。便秘、腹痛、腹部の腫れなどの症状が起こります。
※ちなみにB細胞とは、病原体の刺激があると抗体を作る機能のある小型の免疫細胞で、骨髄で作られています。
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