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脳出血の手術の方法は、「開頭血腫除去術」、「CT定位的血腫吸引術」、「脳室ドレナージ」、「神経内視鏡手術」、などがあります。
脳出血での手術は、出血により発生した「血腫(けっしゅ:血液の固まり)」を取り除くことが目的です。
それでは脳出血の手術について、それぞれ見ていきましょう。
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開頭血腫除去術 (かいとう けっしゅ じょきょ じゅつ) |
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開頭血腫除去術とは、頭蓋骨の一部分を切り開いて、専用の顕微鏡で見ながら血腫(けっしゅ:血液の固まり)を取り除き、出血している血管部分の止血をする「開頭手術」です。
「被殻出血(ひかく しゅっけつ)」、「小脳出血」、「皮質下出血」の場合に行われます。手術時間は、血腫の場所や大きさにもよりますが、約2〜3時間ぐらいです。
開頭血腫除去術は、頭蓋骨を切り開くため患者さんへの負担が大きい手術なので、体力が低下している場合や高齢者の方には行うことができない場合があります。ただ、医師が直接見て血腫を除去して止血するので、確実性が高いというメリットもあります。
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脳室ドレナージ (のうしつドレナージ) |
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脳室ドレナージとは、血液が脳室(のうしつ)にたまって脳室が大きくなったり、詰まる可能性がある場合や、水頭症を起こしている場合に行う手術です。
ドレナージとは、血液・膿(うみ)・消化液などを、減圧や感染原因の除去などの目的で体外に誘導して排出することです。
脳室とは、脳と脊髄(せきずい)の中に空いている穴のことで、脳脊髄液(髄液)で満たされています。
水頭症とは、脳を保護する役割のある「脳脊髄液(髄液)」が頭の内側(脳室内)で過剰にたまる病気です。
手術方法は、頭蓋骨に小さな穴を開けて、脳室の中へ細いチューブを 1週間ぐらい留置して、中にたまった血腫を排出します。
脳室ドレナージは、脳室の血腫を取り除くことで、頭蓋骨内の圧を低下させるために行います。
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