※前のページ「脳梗塞とは?A」の続きです↓
脳梗塞は、血栓が詰まる原因によって、「アテローム血栓性脳梗塞」、「ラクナ梗塞」、「心原性脳梗塞症」の3つの種類に分類されています。
それではそれぞれについて見ていきましょう。
 |
アテローム血栓性脳梗塞とは? |
|
(あてろーむ けっせんせい のうこうそく) |
|
|
アテローム血栓性脳梗塞(あてろーむ けっせんせい のうこうそく)とは、太い動脈に動脈硬化が起こることで発症する脳梗塞です。
脳の太い動脈に動脈硬化が起こり、血栓が発生して血管が詰まることで、アテローム血栓性脳梗塞が発症してしまいます。
また、頸部(けいぶ)の太い動脈である頸動脈(けいどうみゃく)に動脈硬化が発生しても、アテローム血栓性脳梗塞になります。頸動脈とは、首の左右にあり脳へ血液を流している血管なのですが、頸動脈で血栓ができて、それが脳の血管へと流れついて詰まり、脳梗塞になる場合もあります。
また、動脈硬化により動脈(血管)が狭くなっているときに血液の粘りけが増えることで、血流が狭い部分へ届かなくなって脳梗塞が発症することもあります。
アテローム血栓性脳梗塞は、脳梗塞の3つの種類の中では、ラクナ梗塞に次いで多くみられるものですが、最近では、このアテローム血栓性脳梗塞が増えてきています。
 |
アテローム血栓性脳梗塞の原因 |
|
|
動脈硬化には、「粥状動脈硬化(じゅくじょう どうみゃくこうか)」、「中膜硬化(ちゅうまくこうか)」、「細動脈硬化(さいどうみゃくこうか)」、の3つの種類がありまが、そのうち、「粥状動脈硬化(アテローム動脈硬化とも呼ばれる)」がアテローム血栓性脳梗塞の原因となります。
粥状動脈硬化(じゅくじょう どうみゃく こうか)とは、血管(動脈)の壁にLDLコレステロール(悪玉コレステロール)が入り込んでしまうために、お粥(おかゆ)のようなドロドロとした固まりである「粥腫(じゅくしゅ)」が発生してたまってしまう動脈硬化のことです。
※ちなみに、粥腫(じゅくしゅ)は、「アテローム」または「プラーク」とも呼ばれます。
粥腫(じゅくしゅ)がたまってどんどん大きくなっていくと、血管の空間を狭くしていき、血流が悪くなってしまいます。
さらに、高血圧などにより力が加わることで、粥腫が破裂して中身が出てしまうと、そこを修復しようとして血の固まりである血栓(けっせん)ができてしまい、狭くなっていた血管をふさいで血流を止めてしまう場合もあります。
脳で、粥状動脈硬化が起こり血栓による血流の停止が起こると、アテローム血栓性脳梗塞になってしまいます。
粥状動脈硬化は、糖尿病、高血圧、高脂血症などにより発生する可能性が高くなります。
アテローム血栓性脳梗塞の原因となる「粥状動脈硬化(アテローム動脈硬化)」は、高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病により発生したり、またさらに進行したりしてしまいます。
また、肥満やタバコ(喫煙)でも、動脈硬化の発生・進行のリスクは高くなります。
動脈硬化は加齢により誰でも起こりやすくなります。ですから、高齢者の方は特に生活習慣病や肥満、喫煙などにも注意しましょう。
 |
アテローム血栓性脳梗塞の症状・発作 |
|
|
アテローム血栓性脳梗塞の症状は、血管が詰まる場所により様々です。
症状として起こるものは、「一時的に片側の目が見えなくなる」、「片側の顔面や手足の感覚・機能がなくなったり、麻痺(まひ)したりする」、「皮膚の感覚が麻痺する」、「言語障害」、「意識障害」、「失語」、「失行(しっこう)」、「失認(しつにん)」、「めまい」、「吐き気・嘔吐(おうと)」、嚥下障害(えんげしょうがい:物が飲み込みにくくなる)」、「四肢(手足)の麻痺」、などが起こることがあります。
症状は、睡眠中に起こることが多いです。
それでは次のページでは、ラクナ梗塞について見ていきましょう。
※次のページ「ラクナ梗塞とは?」へ続く・・・・
|