※前のページ、「皮膚がん前駆症(前がん状態)とは?@」の続きです↓
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瘢痕 (はんこん) |
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瘢痕(はんこん)とは、傷あとのことです。やけどの傷あとから何十年後に癌(ガン)が発生することがあり、日本では多くみられます。
瘢痕の一部が潰瘍(かいよう)になったり、かたいかさぶたがついて盛り上がってくる場合は注意が必要です。
また、やけどの他に、「慢性円板状エリテマトーデス」や「皮膚結核」の治った瘢痕の上にがんが発生することもあります。
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慢性放射線皮膚炎 (まんせい ほうしゃせん ひふえん) |
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慢性放射線皮膚炎は、がんや皮膚の病気に対して放射線療法を行った後に起こることがあります。
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日光角化症 (にっこう かくか しょう) |
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日光角化症(にっこう かくか しょう)とは、紫外線(日光)のよく当たる体の場所(頭、顔、うなじ、手の甲など)に発生する病気です。
病変は円形に近い形で、大きさ 1cm〜数cm、表面が淡い茶色から赤茶色をしていて、乾燥した皮膚がぼろぼろとむける皮膚の発疹(はっしん)ができます。
日光角化症は、高齢になるほど発生頻度は高くなるので、「老人性角化症(ろうじんせい かくか しょう)」とも呼ばれ、老人性のいぼと間違いやすいので注意が必要です。
放置すると、進行して有棘細胞がん(ゆうきょく さいぼう がん)になります。
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ボーエン病 |
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ボーエン病とは、形がふぞろいで盛り上がりのない皮膚の発疹(はっしん)、または軽く盛り上がった皮膚の発疹(はっしん)ができる病気です。病変は 1個のときもあれば、多数発生することもあります。
病変の色は、淡い赤色から茶色っぽいことが多く、表面は皮膚が乾燥してはがれ落ちやすくなっています。正常な皮膚との境界ははっきりしています。かゆみはありませんが、湿疹(しっしん)や乾癬(かんせん)のような皮膚病と間違いやすいです。
原因としては、日光の紫外線、HPV(がんの原因となるウイルス)、放射線、ヒ素などを原因として発生するといわれています。
ボーエン病の約80%の人が、日光に当たらない体の場所に発生しています。進行すると有棘細胞がん(ゆうきょく さいぼう がん)になります。
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パージェット病(パジェット病) |
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パージェット病(パジェット病)とは、以前は「ページェット病」と呼ばれていたもので、「乳房パージェット病」と「乳房外パージェット病」の 2つがあります。
乳房パージェット病とは、乳首を中心とした乳房に発生するもので、40歳代〜60歳代の女性によく見られます。通常、乳首や、それをとりまく乳輪に広がります。最初は、乳首の一部に紅斑(こうはん)やびらん(ただれ)として発生して、だんだん周りの乳輪や乳房へと広がります。乳首の形がくずれたり、乳ガンのように乳房に「しこり」ができる場合もあります。
乳房外パージェット病とは、じとじとした紅斑(こうはん)が皮膚に起こる病気です。ところどころ白く抜けていて、かさぶたのようなものが着いていたり、少しかゆみを感じることが多いです。時間をかけて拡大してくると「びらん(ただれ)」になることもあります。60歳以上の男性に多く見られ、外陰部(がいいんぶ)、肛門の周り、わきの下、へそ、などに発生します。初めは、湿疹(しっしん)やたむしと間違われることが多いので注意しましょう。
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白板症 (はくばんしょう) |
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白板症(はくばんしょう)とは、口の中の粘膜や舌に、表面が白くにごったかたいものが発生する病気で、「ロイコプラキー」とも呼ばれます。
白板症の全てが悪性ではありませんが、皮膚がん前駆症(ひふがん ぜんくしょう)としての白板症は、舌の側面に発生することが多く、不規則な形をしています。一部がくずれて腫瘍(しゅよう)やびらん(ただれ)ができたり、盛り上がってきたり、割れ目ができたりしたら、注意しましょう。
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