皮膚がん前駆症(ひふがん ぜんく しょう)とは、治療せずに放置すると皮膚ガンへと変化してしまう病気や皮膚の状態のことで、「前がん状態」とも言われます。「日光角化症(にっこう かくか しょう)」、「ボーエン病」、「パージェット病」、などがあります。
皮膚科では、皮膚がん前駆症は次の 2つの状態をいいます。
1つは、がん細胞を持ってはいるものの、そのがん細胞が表皮の中だけにとどまっている状態で、「皮膚がん前駆症・表皮内がん」と呼ばれます。
これは皮膚がんの病期分類の「0期」と同じ状態で「表皮内がん」とも呼ばれます。そのまま治療せずに放置していると、本物の皮膚がんになってしまいます。
2つ目は、放射線治療後の皮膚(慢性放射線皮膚炎:まんせい ほうしゃせん ひふえん)や、やけどの傷あと(熱傷瘢痕:ねっしょう はんこん)などです。まだがんは発生していない状態ではあるが、健康な皮膚に比べてがん細胞が発生しやすい状態です。
皮膚がん前駆症から皮膚がんが発生するまでは、数年〜数十年という長い時間がかかりますので、皮膚がん前駆症になったとしてもあまり心配せずにすぐに治療を受けましょう。早期に発見してしっかり治療することで簡単に治すことができます。
長い間続いている皮膚の異常が急に、びらん(ただれ)、潰瘍(かいよう)、大きくなってきている、などの変化を起こしてきたら、放置ぜずにすぐに皮膚科へいって医師に診てもらいましょう。
それでは、次のページでは、各皮膚がん前駆症ついてくわしく見ていきましょう。
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