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甲状腺癌は、「乳頭がん」、「濾胞がん(ろほうがん)」、「髄様がん(ずいようがん)」、「未分化がん(みぶんかがん)」、の4つの種類に分けられています。そして、乳頭がんと濾胞がんは「分化がん」とも呼ばれます。
それでは、それぞれの甲状腺癌について見ていきましょう。
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乳頭がん (にゅうとう がん) |
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乳頭がんは、甲状腺癌の中でも最も多く、甲状腺がんの約90%を占めています。とてもゆっくり進行し、転移することも少ないので、治療をしなくてもよい場合もあります。ただ、頸部(けいぶ:首のこと)のリンパ節へ転移することはあります。
治療後の経過(予後)も良好なので、命に関わることは少ないですが、乳頭がんの約 10%は、悪性度の高い未分化がんに変わります。ただ、未分化がんへ変化するにはかなり長い期間がかかるので、乳頭がんが未分化がんになるケースは高齢者の方に見られます。
乳頭がんは、40〜50歳代に多く発症します。高齢で発症するほど、悪性度が高くなりやすいです。
乳頭がんと濾胞がんは「分化がん」とも呼ばれます。
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濾胞がん (ろほう がん) |
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濾胞がん(ろほう がん)は、乳頭がんの次に多くみられる甲状腺癌で、甲状腺がんの約5%ぐらいを占めています。濾胞がんと上で解説した乳頭がんは「分化がん」とも呼ばれます。
おだやかな性質ではあるのですが、乳頭がんと比べるとやや悪性度が高く、血流にのって、肺、骨、脳、肝臓などに転移(遠隔転移)しやすいという性質をもっています。治療後の経過(予後)は比較的良いです。
年齢では、40〜60歳代に多く発症します。男性より女性に多く、高齢で発症するほど、悪性度が高くなりやすいです。良性の濾胞腺腫(ろほうせんしゅ)との区別が難しいです。
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髄様がん (ずいよう がん) |
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髄様がん(ずいよう がん)とは、傍濾胞細胞(ぼう ろほう さいぼう:C細胞)という細胞がガン化することで発生する甲状腺癌です。傍濾胞細胞とは、カルシトニンという、カルシウムの代謝に関係するホルモンを分泌する働きをもつ細胞です。
髄様がんは、甲状腺癌の約 1〜2%と、とてもまれな癌(ガン)です。また、分化がん(乳頭がん・濾胞がん)よりも悪性度は高いのですが、未分化がんよりも悪性度は高くありません。
髄様がんの約半数ぐらいが、、遺伝的体質によるものであることがわかっています。ですので、家族に髄様がんになった人がいる場合は、注意したほうがいでしょう。
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未分化がん (みぶんか がん) |
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未分化がんとは、増殖・進行とも早く、転移しやすいとう悪性度の高い甲状腺癌です。ほとんどが発病してから半年以内に死亡してしまいます。上で解説した3つのタイプの甲状腺癌よりも悪性度が高く、甲状腺がんの約1〜2%とあまり見られないタイプです。
また、乳頭がんが未分化がんに変化することもありますが、変化するにはかなり長い期間が必要なので、乳頭がんが未分化がんになるケースでは高齢者の方に見られます。
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