※副腎がんについて最初から見たい方は「副腎がんとは?」のページをご覧下さい。
副腎にできる腫瘍には、ホルモンを過剰に分泌する「機能性腫瘍」と、ホルモンを過剰に分泌しない「非機能性腫瘍」があり、どちらもほとんどが良性ですが、中には悪性のものも発生することがあります。この悪性の腫瘍が「副腎がん」と呼ばれるものです。
機能性の副腎がんの症状は、機能性、つまりホルモンが過剰に分泌されるので、そのために様々な症状が起こります。例えば、悪性の機能性腫瘍である「悪性褐色細胞腫(あくせい かっしょく さいぼうしゅ)」では、頭痛・高血圧・動悸(どうき)などの症状があらわれます。
機能性の副腎皮質がん(ふくじん ひしつ がん)でも、コルチゾール(副腎から分泌されるホルモンの一種)が過剰になるタイプでは、顔が満月丸くなる「満月顔貌(まんげつがんぼう)」やお腹が太るなどの症状が起こります(クッシング症候群)。また、アルドステロン(副腎から分泌されるホルモンの一種)が過剰になると、高血圧、筋力の低下、多尿、などの症状が起こります。
つまり、副腎がん(悪性腫瘍)の機能性腫瘍の場合は、過剰に分泌されるホルモンの種類によって、起こる症状が色々であるということです。
非機能性の副腎がんの症状は、非機能性、つまりホルモンを過剰につくらないので、ホルモンが過剰に増えることで起こる症状があらわれません。ですから自覚症状があらわれないことが多いです。
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副腎がんとクッシング症候群 |
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副腎がんにより、「コルチゾール」というホルモンが大量に分泌されることがあるので、副腎がんの症状として、クッシング症候群が起こることがあります。
クッシング症候群とは、副腎という臓器から「コルチゾール」というホルモンが過剰に分泌されることで起こる病気で、お腹や顔が太る、手足がやせる、毛が濃くなる(男性化)、高血圧、頭痛、皮下出血、脳出血、などの症状が起こります。
また、クッシング症候群の女性に男性化の症状が発症している場合は、がんである可能性が高いです。
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