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合併症とは? |
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糖尿病の合併症とは、高血糖の状態が長く続く(慢性的に続く)ことで、体に起こる様々な異常のことです。
つまり、合併症は、血糖コントロールがうまくいかないと発症してしまいます。
合併症には、大きく分けて、「急性合併症」と「慢性合併症」の 2つがあります。
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急性合併症 |
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「急性合併症」とは、急に起こり、適切に対処しないと短い間で死亡してしまうものです。
高齢の方のよくみられる「非ケトン性高浸透圧性昏睡(ひ けとんせい こうしんとうあつせい こんすい)」や、インスリンの分泌が極端に不足したときに起こる「糖尿病性昏睡(とうにょうびょうせい こんすい)」などが、急性合併症です。
急性の合併症はそれほどよく発症するものではないのですが、対処が遅れると危険なため、どうすれば急性合併症にならずにすむのか、また発症してしまったらどのように対処するのかなどは、事前に主治医から聞いておくことが重要です。
糖尿病性昏睡や非ケトン性高浸透圧性昏睡についてくわしくは、「糖尿病と昏睡@」、「糖尿病と昏睡A〜原因と症状」、のページをご覧下さい。
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慢性合併症 |
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「慢性合併症」とは、長い時間をかけて少しずつ進行していくものです。そのほとんどが初期では症状が出ず、症状が出た頃には病気が進行してしまっています。
そして、慢性合併症は、「糖尿病である人にだけ起こる病気」と、「糖尿病であることで起こりやすくなる病気」の 2つに分けられます。
糖尿病の人だけに起こる病気(合併症)は、「糖尿病性網膜症(とうにょうびょうせい もうまくしょう)」、「糖尿病性腎症(とうにょうびょうせい じんしょう)」、「糖尿病性神経障害(とうにょうびょうせい しんけいしょうがい)」です。
これらは、「3大合併症」と呼ばれるもので、細い血管(細小血管)が高血糖により侵されて起こるもので、糖尿病にだけ起こる特有の病気です。
糖尿病であることで起こりやすくなる病気(合併症)は、「動脈硬化(どうみゃくこうか)」と、動脈硬化により発生する病気である「脳梗塞(のうこうそく)」、「狭心症(きょうしんしょう)」、「心筋梗塞(しんきんこうそく)」、そして目に起こる「白内障(はくないしょう)」、「緑内障(りょくないしょう)」、さらに「高血圧」、「脂質異常症(高脂血症)」、「脂肪肝(しぼうかん)」、などがあります。
また、糖尿病の人は、「感染症(肺炎・腎盂炎・膀胱炎、カンジダ症、など)」になりやすくなったり、足の傷や病変を「潰瘍(かいよう)」や「壊疽(えそ)」にまで悪化しやすくなってしまいます。
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合併症の怖さとは? |
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糖尿病のいちばんの怖さは、合併症にあります。
なぜなら糖尿病の合併症は、初期ではほとんど症状が出ないため、知らないうちに悪化していってしまうからです。
自覚症状が出たときには、すでに合併症は進行してしまっています。また、合併症がある状態にまで悪化してしまうと、その後に血糖コントロールをしても、取り返しがつかなくなってしまいます。
さらに、日常生活や社会生活にも支障が出てしまい、命を失うこともあるのです。
糖尿病の合併症により苦しまないためにも、定期的な検査を受けるようにする、また、検査結果で糖尿病であるとわかったら症状がなくてもしっかりと治療を行っていく、などを心がけていきましょう。
それでは次のページでは、高血糖によりどうして合併症が発症するのかについて見ていきましょう。
※次のページ「糖尿病と合併症A〜合併症の原因」へ続く・・・・
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