糖尿病が進行すると、様々な合併症が起こってくることは、他のページ「糖尿病の合併症@〜3大合併症」でも解説しましたが、糖尿病の合併症でも急激に症状があらわれる怖い急性の合併症があります。
それが「糖尿病性昏睡(とうにょうびょう せい こんすい)」です。
糖尿病性昏睡とは、インスリンが不足しすぎることで起こる症状です。発症することは多くはありませんが、すぐに対処しないと最悪の事態になる可能性がある危険な合併症です。
糖尿病性昏睡がなぜ起こるのかというと、インスリンが極端に不足することでブドウ糖をエネルギーとしてうまく利用することができなくなると、その代わりに体にたくわえられた脂肪やタンパク質をエネルギーとして利用しようとします。
このときに、副産物として「ケトン体(けとんたい)」と呼ばれる酸性の物質が発生するのですが、このケトン体が血液の中に増えてたまってしまうと、血液が酸性になります。
この、血液が酸性の状態を「ケトアシドーシス」といいます。
ケトアシドーシスの状態になると、体のいろいろな機能の働きが低下します。そして脳細胞への酸素の供給もなくなっていき、脳の機能も低下して意識が薄れて、意識がなくなる「昏睡」の状態になってしまうのです。
このように、ケトン体が増加することで発症する糖尿病性昏睡のことを、「ケトン性糖尿病性昏睡(ケトン性昏睡)」といいます。
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・ケトン体とは・・・ |
ケトン体は、「尿アセトン体」とも呼ばれます 。糖質が利用されずに、その代わりに脂肪やタンパク質が分解される過程でできる物質で、「アセト酢酸」、「ヒドロキシ酪酸」、「アセトン」、の
3つの物質の総称です。 |
それでは次のページでは、ケトン性糖尿病性昏睡の原因と症状について見ていきましょう。
※次のページ「糖尿病と昏睡A〜原因と症状」へ続く・・・・
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