※前のページ「脳卒中のリハビリテーションE〜回復期W」の続きです↓
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維持期のリハビリテーション |
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回復期のリハビリテーションが終わると、自宅での生活、つまり維持期のリハビリテーションを行っていきます。また、自宅での生活が難しい場合は、別の施設へ移ってリハビリテーションを行います。
ですので、維持期のリハビリテーションのために別の施設を探す場合は、回復期の間に次に移る施設を決めておくといいでしょう。
また、自宅に帰れる場合は、患者さんの状態にあわせて自宅の段差や手すりを付けるなどの改造が必要なので、なるべく早い段階から準備しておきましょう。
維持期のリハビリは、生活することそれ自体がリハビリとなります。
自宅での生活には、歩くだけでなく、食事や歯みがきなどによる道具を使うことや、ドアを開ける、階段を上る、段差を上がる、トイレ、入浴、着替え、など、さまざまなことがあります。
日常生活では、ご家族の方の協力も大切ですが、なるべく患者さんが自分自身でできることは行っていくようにしないと、せっかく回復期に苦労してリハビリを行って回復してきたのに、どんどんとまた身体が動かなくなってしまいます。
ですから、どうしても出来ないことはご家族に助けてもらうようにして、後はなるべく自宅を改造するなどして環境を整えることで、自分でできるように生活していくことが大切です。
リハビリテーションの維持期とは、回復期で回復した機能が衰えないように維持することにあるので、日常生活をなるべく自分で行っていくことで、身体の機能・能力をできるだけ維持するためのリハビリになるのです。
ただ、無理すると転んだりして思わぬ怪我をすることもあるので注意が必要です。自宅でのリハビリテーションでは、何については手を貸して、何については手を貸さず見守り、何については自分一人でできるのかを明確にするようにしましょう。
また、リハビリの専門スタップから、自宅で行うリハビリの方法を指導されると思いますので、しっかりと指示どうりにつづけていきましょう。
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廃用症候群に注意! |
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廃用症候群(はいよう しょうこうぐん)とは、他のページ「脳卒中のリハビリテーションA〜急性期」でも紹介しましたが、長い間、身体などの機能を使わなかったために、筋肉がやせたり、関節が固まって動かしにくくなる状態のことです。
自宅で家族など手を貸してくれる人がいると、甘えてしまいがちになる方もいます。でも、身体を動かさないと、筋力の低下、関節が曲がったまま固まる、骨が弱くなる、など、身体の機能が低下して、さらに動けなくなってしまいます。
また、あまり横になりすぎていると床ずれが起こったり、立ち上がるときに「起立性低血圧症(きりつせい ていけつあつ しょう)」によりめまいや立ちくらみが起こりやすくなります。
また、会話するなどのコミュニケーションがないと脳への刺激が少なくなり、認知症が起こりやすくなってしまいます。
ですから、自宅でのリハビリは、安静にしすぎず、外部との交流をもつなど、なるべく身体と脳を使い、廃用症候群にならないようにしましょう。
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