※前のページ「脳卒中のリハビリテーションD〜回復期V」の続きです↓
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回復期のリハビリテーション〜高次脳機能障害 |
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高次脳機能障害とは、病気やケガなどで脳に損傷を受けたために、的確な表現や記憶がうまくできなかったり、注意力や集中力の低下したり、感情や行動の抑制がきかないなどの症状が現れるものです。
高次脳機能障害があると、周りの状況に適した行動をすることができず、生活に支障をきたすようになります。
また、患者さん本人がこの障害があること自覚しずらく、見た目でも障害があるかどうかがわかりずらいので、ある状況にならないと高次脳機能障害があるということに気づきずらいという特徴もあります。
高次脳機能障害についてくわしくは「脳卒中の症状・後遺症E〜高次脳機能障害T」、「脳卒中の症状・後遺症F〜高次脳機能障害U」のページをご覧下さい。
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高次脳機能障害と認知リハビリテーション |
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高次脳機能障害へのリハビリテーションは、「認知リハビリテーション(認知リハ)」と呼ばれるものがあります。
認知リハビリテーションを行って、患者さんがどの能力に障害があるのかを判断し、その能力を回復させるようにします。回復が難しい場合は、正常な部分でおぎなえるように訓練していきます。
たとえば、記憶障害により新しいことを記憶することがむずかしい場合は、メモ書きをするようにしたり、認知活動をしないで済むように、周りの環境を調整したり変えたり(物の色分け、引き出しに名前をつけるなど)していきます。
また、高次脳機能障害でよくみられる、右脳の障害により左側の見えているはずのものを認知できず無視してしまう「左半側空間無視(ひだり はんそく くうかん むし)」では、日常生活を左側からはじめたり(靴を左側からはくなど)、日常生活で使うものを左側に置くなどして、左側への注意力を高めていきます。それでも改善しない場合は、認知できる右側をうまく使って日常生活が行えるようにします。
それでは次のページでは、維持期のリハビリテーションについて見ていきましょう。
※次のページ「脳卒中のリハビリテーションF〜維持期」へ続く・・・・
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