くも膜下出血の診断と検査には、「CT検査」、「腰椎穿刺(ようつい せんし)」、「脳血管造影(のう けっかん ぞうえい)」などを必要に応じて行います。
くも膜下出血であるかどうかは、基本的には、「CT検査」を行えばわかります。
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CT検査 |
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CT検査とは、人体に様々な角度からX線をあてて、水平方向に輪切りにした断面を画像化する装置です。
CT検査により頭部を撮影することで、くも膜下出血であれば出血した部分が白く写ります
ただ、くも膜下出血のような症状があり、CTで検査をしても、脳に出血していることが確認できないことがあります。
これは、出血により激しい頭痛などの症状が起こっても、すぐに検査を受けず何日間か経過してしまうと、出血した血液が吸収されてしまうことがあるからです。
このような場合は、「腰椎穿刺(ようつい せんし)」を行います。
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腰椎穿刺 (ようつい せんし) |
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腰椎穿刺(ようつい せんし)とは、腰の脊椎(せきつい)に針のような器具を指して、髄液(脳脊髄液:のう せきずい えき)を取って調べる検査です
くも膜下出血が起こっていると、透明なはずの髄液が血液が混じることで赤く(時間がたつと黄色く)なります。
検査により、くも膜下出血であることが確定したら、「脳血管造影(のう けっかん ぞうえい)」を行います。
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脳血管造影 (のう けっかん ぞうえい) |
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脳血管造影(のう けっかん ぞうえい)とは、ふとももの付け根の動脈からカテーテルと呼ばれる細い管を入れで、頸動脈(けいどうみゃく:首の動脈)や椎骨動脈(ついこつどうみゃく)までカテーテルを進ませて、造影剤を注入して血管(動脈)を撮影して調べる検査です。
この検査により、くも膜下出血の原因(脳動脈瘤か脳動静脈奇形なのか)や、動脈瘤(どうみゃく りゅう)の位置、数、大きさなどがわかります。
検査前には緊張をほぐしたり、痛みの緩和などのための注射や点滴が行われます。
ただ、カテーテルよりも患者さんへの身体の負担が軽い「CTA(CTアンギオグラフティー:CT血管造影)」や「MRA(MRアンギオグラフティー:MR血管造影)」などを使って血管造影検査を行うようになってきています。
くも膜下出血ではMRAよりも画像が鮮明であるCTAの方がよく行われています。
「CTA」とは、CTの装置を使って行う血管撮影のことで、「MRA」とは、MRIの装置を使って行う血管撮影のことです。
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