※くも膜下出血の前兆・前触れについては「くも膜下出血の前兆・前触れ」のページをご覧下さい。
くも膜下出血の症状・発作は、「強烈な頭痛」、「吐き気・嘔吐(おうと)」、「項部硬直(こうぶ こうちょく)」などです。これらの症状を「髄膜刺激症状(ずいまくしげきしょうじょう)」といいます。
髄膜刺激症状は、クモ膜下出血を発症するとほとんどの場合見られますが、脳梗塞や脳出血の症状としてよく見られる「麻痺(まひ)」や「失語(しつご)」などの神経症状は、くも膜下出血では見られないことが多いです。
それでは、くも膜下出血の症状・発作をそれぞれ見ていきましょう。
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頭痛 |
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くも膜下出血の代表的な症状です。ハンマーで殴られたような強烈な頭痛が急激に起こります。
ただ、出血が少ない場合は、普通の頭痛ぐらいの痛みしか感じない場合もあるので、ただの頭痛で終わらせないように注意が必要です。
くも膜下出血の場合の頭痛は、突然起こり、普段起こる頭痛とは少し違う感じがして、数日間の間症状が続くことがあります。また、吐き気・嘔吐(おうと)、意識障害なども起こるので、これらの症状が重なったときには必ず病院へ行きましょう。
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吐き気・嘔吐 |
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くも膜下出血は、頭痛と同時に「吐き気(はきけ)」を感じたり、「嘔吐(おうと)」したりすることもあります。
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意識障害 |
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くも膜下出血での意識障害は、頭痛の後、数分の間(5〜10分ぐらい)で意識を失うことが多いです。
ただ、軽症の場合は意識を失わないこともあります。
意識を失った後、数分から数十分で意識が回復しますが、かなり重症の場合は意識が戻らないこともあります。
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項部硬直 (こうぶ こうちょく) |
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項部硬直(こうぶこうちょく)とは、髄膜刺激症状として起こるもので、うなじ(項部)を中心に首の付け根から肩にかけて硬く張ってきて、痛みを感じ、首を前に曲げようとすると抵抗を感じる症状です。
また、手足をつっぱるように痙攣(けいれん)を起こす場合もあります。
症状が起こる時間は、発作が起こってから数時間たつと見られますが、出血の程度が軽度の場合、この症状が出ないこともあります。
くも膜下出血のときだけでなく、髄膜炎のときでも起こる症状です。
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硬膜下血腫・硬膜外血腫 |
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くも膜下出血と同じような症状がでる病気として、「硬膜下血腫(こうまくか けっしゅ)」、「硬膜外血腫(こうまくがい けっしゅ)」があります。
脳は、外側から硬膜、くも膜、軟膜、の3つの膜でおおわれています。硬膜外血腫とは、その3つの層の膜の一番表面に近い膜である「硬膜」の外側(頭蓋骨と硬膜の間)に血腫(けっしゅ:血液の固まり)ができてしまった状態のことです。
また、硬膜下血腫とは、硬膜の内側で脳の表面に出血が起こるり、血液が脳と硬膜の間にたまって、血腫ができてしまった状態のことです。
硬膜外血腫も硬膜下血腫も、外傷が原因で起こることがほとんどで、急性と慢性があります。急性はすぐに発症しますが、慢性は
2週間から 2ヶ月たってから発症します。
くも膜下出血と似た症状である、ということで参考までに紹介しましたが、どちらにしてもくも膜下出血の症状が起こったらすぐに病院で治療を受けた方が良いということは変わりません。
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