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進行性胃がんとは? |
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固有筋層からさらに深く進行している胃がんを進行胃がんといいます。
進行胃がんになると、リンパ節への転移や遠隔転移の可能性が非常に高くなります。そして腹膜播種(ふくまくはしゅ)による がん性腹膜炎がしばしば起きます。
「腹膜播種(ふくまくはしゅ)」とは、お腹の中全体にがん細胞が散らばる状態のことで、「がん性腹膜炎」とは、がん細胞が内臓をおおっている幕を破ってがんが散らばった状態です。
胃がんの遠隔転移は肝臓に最もよくみられ、肺などの他の臓器にも転移が起こることもあります。
進行胃がんは、4つのタイプに分類されます。これをボールマン分類といます。
・1型 -
限局隆起型(きょくげん りゅうきがた)。粘膜から盛り上がっているもので、頻度(ひんど)は低く予後はよい。
・2型 -
限局潰瘍型(げんきょく かいようがた)。進行がんの内 25%がこのタイプ。潰瘍を作り、肝臓に転移しやすい。
・3型 -
浸潤潰瘍型(しんじゅん かいようがた)。進行がんの内 40%がこのタイプ。境界のはっきりしない潰瘍がん。
・4型 -
びまん浸潤型(びまん しんじゅんがた)。粘膜層の下に木の根のように広がっていきます。予後は悪く、スキルス胃がんとも言われます。
限局型(1型・2型)は肝臓に転移しやすく、浸潤型(3型・4型)は、がん性腹膜炎をしばしば起こします。
スキルス胃がんは、4型の一部のことで、胃のほぼ全体にガンが浸潤(しんじゅん)した状態です。
胃がんをはじめ、食道がんや大腸がんなどの消化管のがんでは、がんの大きさで早期がんか進行がんかを区別することはできません。がんが大きくても早期がんであることがあり、がんが
2センチ以下の小さいものでも進行がんであることがあるからです。
消化管のがんでは、「がんがどれだけ深く進行しているか」が進行度を判断する目安になります。
それでは次のページでは、「スキルス胃がん」について解説していきます。
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