※前のページ「糖尿病のインスリン療法B〜注射について」の続きです↓
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インスリン療法と低血糖 |
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インスリン療法を行っている人で注意したいのが、「低血糖」です。
インスリン製剤を正しい量で注射していても、食事の間隔が開きすぎて空腹の状態が長く続いたり、激しい運動をしたりすると、血糖値が下がりすぎてしまい、低血糖の状態となってしまいます。
低血糖により起こる症状は、「冷や汗」、「手の震え」、「動悸(どうき)」、がよくみられるものです。これらの症状がインスリン製剤が効いてくるぐらいの時間で起こったら、低血糖の状態であることがほとんどです。
ただ、「冷や汗」、「手の震え」、「動悸(どうき)」、などの症状は、低血糖の状態が少し進んだときに起こります。これらの症状が起こる前に、お腹がすく、ふらつく、めまい、イライラする、考えがまとまらない、頭が痛い、目がかすむ、寝汗をかく、悪夢を見る、などの症状が起こることがあります。
これらのどの症状が出るのかは患者さんによって違いますし、あまり初期症状が出ないこともありますが、患者さんそれぞれで出る症状は決まった傾向があるので、自分の低血糖での初期症状の出方は覚えておくと良いでしょう。
低血糖を防ぐには、間食(かんしょく)をとるようにしたり、激しい運動をした後は補食(ほしょく)をとるようにすることが大切です。(補食とは、低血糖を防止するためにとる食事(糖分)のことで、指示エネルギーとは関係なく食べます)
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インスリン療法と昏睡 |
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低血糖の状態のまま放置してしまうと、意識がもうろうとしたり、暗闇にすいこまれるような不快感を感じたりします。
そしてそのうち、痙攣(けいれん)が起こり、昏睡状態に陥(おちい)ってしまいます。
この、低血糖によりブドウ糖が不足して、脳が十分に働けなくなるために起こる昏睡のことを「低血糖性昏睡(ていけっとう せい こんすい)」といいます。
また、インスリン療法を行っている人が、注射を行わずに食事をとったりすると、体内のインスリンが不足しすぎて急激に血糖値が上がってしまい、「糖尿病性昏睡(とうにょうびょう せい こんすい)」に陥ってしまいます。
昏睡状態になると、周りの人に迷惑をかけるだけでなく、患者さん自信も危険な状態となってしまいます。ですから、低血糖の初期の症状が出たらすぐに補食をするなどの対処をしましょう。
低血糖になったらどのように対処すればよいのかは、事前に医師からしっかりと指示を受けておくことも大切です。
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インスリン療法と肥満 |
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血糖値を上げる薬を使い始めると太りやすくなります。
これはインスリン療法だけに限ったことではないのですが、今までどおりに食事をとっていても肥満しやすくなってしまうのです。
肥満は糖尿病の合併症が発症する危険jを高くしてしまいます。また、肥満は血糖コントロールを悪化させてしまいます。
ですから、肥満しないようにしっかり体重をコントロールしていきましょう。
それでは、次のページでは、低血糖について見ていきましょう。
※次のページ「糖尿病と低血糖@〜原因と症状」へ続く・・・・
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